男と女 人生最良の日々
ジャン=ルイ・トランティニャンの訃報を聞き、遺作となったこちらの作品を見ました。
最初は、トランティニャンがすごく年寄りくさく見えたのですが、それは老人ホームで過ごし生きる気力もない主人公という役柄だったから。
彼の夢というか幻想の中では、ホームを飛び出し、生き生きとして元気なおじいちゃんでした。
とはいえ、トランティニャンも相手のアヌーク・エーメも、当時それぞれ88歳と87歳なので、座って会話する場面ばかりで、ドライブに出ても車の中で話していました。
また、オリジナルの「男と女」からのフッテージも多用されて、主役の2人に動きがなく展開に乏しい穴埋めか?なんて穿った見方もしましたが、回想シーンのおかげで、彼の可愛らしい笑顔が昔のまんまだと分かりました。
静の2人に対する動の役割を担ったのは息子と娘。老いた父親の昔の恋人を探し当てる過程で再会した元同級生が、思い出の砂浜でデートするところなんか、見ているこちらまで感傷的になりました。
この息子と娘を演じている俳優は「男と女」の時の子役で、50年後に同じ役をやるなんてすごいなと思いました。
トランティニャンのことは、とりたてて好きという訳ではなかったのですが、彼の功績はもちろん評価しています。
出演作で一番好きなのは、以前お薦めシネマでも紹介した「愛する者よ、列車に乗れ」ですが、これは群像劇なので、彼がメインの映画ではコスタ=ガブラス監督の「Z」かな。
その他の出演作として、このブログでは、「愛、アムール」と「ハッピーエンド」についての記事を書いています。
ご冥福をお祈りいたします。
「Les Plus Belles Annees d'Une Vie」(2019年フランス)
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