愛は静けさの中に
先日名優ウィリアム・ハートが亡くなりました。「蜘蛛女のキス」や「白いドレスの女」、「ブロードキャスト・ニュース」など、様々な役柄を演じてきた彼は、最近では「ラスト・フル・メジャー」を見ましたが、今年のアカデミー賞で話題の「コーダ あいのうた」のマーリー・マトリンが共演していることもあって、彼を偲ぶ作品としてこちらの映画を選びました。
マトリン演じるサラが本当に綺麗だし魅力的で、ジェームズが惹かれたのも良くわかります。と同時に、健常者とのカップルの大変さもつくづく感します。
例えば、以前見た「サウンド・オブ・メタル」では、主人公は大人になってから突然聞こえなくなったので、元の自分に戻る生活を求めますが、聞こえないのが当たり前の人にとっては、そもそも目線や発想が異なり、健常者が手助けしようと思っても、本人の望みではなかったりすることに気づかされます。
それに、本人自身も、教師や家族を喜ばせたい気持ちが先に立ち、果たしてそれが自分の望みなのかさえ考えていない(または考えないようにしている)のではと思ったりもしました。
初めて見た時は20歳前で、ハンディを背負うことや、そもそも恋愛自体に知識も経験も少なかったので、今改めて見たら、男女の関係の在りようについてもしっくりきました。
マトリンは、自身も障害があるので、その苦労も分かっているでしょうし、実体験をベースに演技できたとは思うけれど、過去に傷を負いながらも恋に揺れ動く女性の繊細な感情を表現していて、それがアカデミー賞の受賞につながったのかなと思いました。
「Childre of a Lesser God」(1986年アメリカ)
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