夜の大捜査線
先月、名優シドニー・ポワチエが亡くなりました。フランス映画月間中だったので、今月になったらこの映画を久々に見ようと心に決めており、今日実現しました。
30年前に初めて見た時には、アメリカの人種問題について知ってはいたものの、今ほどの知識はなかったし、単純に話として面白いと思っていました。最初は反発しながらもバージルの協力を得ていた署長が、殺人事件の捜査に詳しい彼の指摘を受けて渋々容疑者を釈放したりする様子が爽快だったし。
年を経るにつれ、差別の根深さだけでなく、田舎署長の心境なども深く理解できるようになり、この作品の凄さがより分かってきました。
白人を殴り返すシーンも以前は何気なく見ていましたが、当時の黒人は皆驚いたという話を後から聞き、今回特にそのシーンに注目しました。
署長もバージルの行動に驚いたでしょうが、何もせず見て見ぬふりをした時点で、彼の態度の変化が見て取れました。
そして、2人で署長の家で語らうシーン。白人優位と思っていたのに黒人に同情されそうになり、抵抗する署長の姿に悲哀を感じました。
アカデミー賞で作品賞を受賞したのも納得の名作です。
ちなみに、主題歌を歌っていたのは、レイ・チャールズでした。
「In the Heat of the Night」(1967年アメリカ)
« プロミシング・ヤング・ウーマン | トップページ | 刑事ダルグリッシュ »
「映画」カテゴリの記事
- 男と女 人生最良の日々(2022.06.21)
- 愛は静けさの中に(2022.03.22)
- モーリタニアン 黒塗りの記録(2022.03.21)
- タミー・フェイの瞳(2022.03.06)
- 夜の大捜査線(2022.02.20)
コメント