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2022年1月

2022年1月31日 (月)

スーパーノヴァ

私の好きなロードムービーということもあり、コリン・ファースとスタンリー・トゥッチのゲイ・カップルが妙にはまっていて(2人ともストレートなのにね)、さすが名優の演技に何度もホロリとさせられる作品でした。

作家のタスカーは認知症と診断され、長年のパートナーでピアニストのサムと、キャンピングカーで旅に出ます。
単に美しい景色の田舎をドライブしているだけと思っていたら、タスカーの記憶があるうちに、2人の思い出の場所をたどったり、サムの実家に立ち寄ったりしていました。

愛しているからこそ負担になりたくないという考えと、愛しているからこそ最後まで一緒に過ごしたいという思いの、どちらの気持ちもよくわかるし、他の病気以上に本人も見ているほうも辛いというのが、認知症の初期段階なのかなと思います。

少し前に見た「ファーザー」の時もそうでしたが、自分の親がそうなった場合だけでなく、自分自身に起こった場合のことも考えてしまいました。

ラストはあいまいな感じで、もしかしたら見ている人に解釈を委ねたのかもしれませんが、そんな終わり方もまた良、でした。


Supernova」(2020年イギリス)

2022年1月30日 (日)

約束の葡萄畑

もう1本、ギャスパー・ウリエル出演作を見ました。こちらは2009年の見逃しシネマで、しかもニュージーランドと合作の、英語の映画でした。

先日見た「おかえり、ブルゴーニュへ」と同じくワイン畑が舞台の話ですが、1808年という時代設定で、主人公の小作人に天使がワイン造りを指南してくれるというファンタジーっぽい作品で、ウリエルはこの天使を演じています。

天使が1から10まで教えるのかと思ったら、そうではありませんでしたが、でもソブランの才能そのものが実は天使の授けたものだったかもしれず、よく分かりませんでした。

でも、好きな女性と家庭を持ち、その一方でオーナーのオーロラにも惹かれ、貧しい生活から脱却し、成功して奢る様子もあったものの、総じていい人生を送れたのは、天使のおかげってことなんでしょうね。

最後のほうは予想外の展開でしたが、天使もワイン造りの楽しさを享受したかったのかなーということで。

若いギャスパーが美しく魅惑的でもあり、改めて今は亡き俳優を偲びました。


The Vintner's Luck」(2009年フランス・ニュージーランド)

エヴァ

ギャスパー・ウリエルの出演作は、これまでにも「ロング・エンゲージメント」や「ハンニバル・ライジング」「サンローラン」「たかが世界の終わり」など記事にしてきましたが、先日スキー中の事故で急逝したと聞き、見逃していた作品を追悼のために視聴しました。

最初のほうは、ストーリーを追うよりも、彼の姿を見ながら「亡くなったのねー」とずっと考えていました。取り立てて彼のファンという訳でもなかったのですが、37歳という若さで、まだまだこれからの役者だったのに、残念でなりません。

主人公のベルトランは、訪問先の老齢の作家が急死し、彼の遺作を盗んで自分の名前で発表するのですが、ばれずにいられるのが不思議でなりませんでした。
文体にはそれぞれクセがあるし、よくあるのはスランプに陥ったベテラン作家が教え子の作品を盗むとかですが、そもそもベルトランは作家でさえありませんからね。

同世代の恋人がいながら年上の高級娼婦に惹かれるのも、そう多くはないと思うけれど、エヴァも、演じるイザベル・ユペールも、十分魅力的で、謎めいた雰囲気に興味を覚えたのも分かります。それに、偽りの才能を信じる恋人に心を開ききれないというのもあったのでしょう。

盗作による名声を得た男の行く末なんて見えている気がしましたが、思ったのとはちょっと違うエンディングでした。


Eva」(2018年フランス)

2022年1月23日 (日)

シャイニー・シュリンプス!

弱小チームを勝利に導く、よくあるスポ根映画かと思いましたが、ゲイに対する差別発言が理由でゲイの水球チームのコーチをさせられるっていうのがちょっと違いました。

いくら実力ある水泳選手でも、水球のコーチなんてできるのかなと思うけれど、アマチュアのチームだから何とかなるのでしょうか。

チームメンバーにそれぞれ事情があって、病気を抱えていたり、家庭があるのに水球に打ち込んだり、同じゲイなのにトランスジェンダーは受け入れなかったり、なかなかカミングアウトできない人もいました。

そんな悲喜こもごもに時折ホロリとさせられながらも、基本はコメディなので笑えるシーンも多く、楽しんで見ることができました。
ただし、お尻にライアン・ゴズリングのタトゥーを入れるのは止めてー、と思いましたけれどね。

実在のゲイ水球チームに着想を得たらしく、ラストに写真が出ていたのはその人たちですね。
昔見たタイのバレーボールチームの映画「アタック・ナンバーハーフ」を思い出しました。

差別発言でチームのコーチとなる主人公は、「アート・オブ・クライム」のニコラ・ゴブです。


Les Crevettes Pailletées」(2019年フランス)

2022年1月18日 (火)

永遠のジャンゴ

現在のフランス映画界で最も好きな俳優の一人、レダ・カテブ主演の作品です。

この映画で聞くまで、ジャンゴ・ラインハルトという人のことは全く知りませんでした。戦前から戦後のパリでジャズやブルースなんて、ずいぶん新しい音楽だったろうと思ったら、ヨーロッパ初のジャズミュージシャンと考えられているらしいです。

でも、この時代の例に漏れず、ナチス支配下のフランスで苦労を重ねたんですね。彼に限らず、時代に翻弄された音楽家・芸術家は多かったのでしょうが、ジプシー出身の彼は自由人で、束縛されるのを人一倍嫌ったでしょうし。

後半は、他の映画でも描かれているアルプス越え(「ベル&セバスチャン」とか「少女ファニーと運命の旅」とか)による脱出でしたが、本当にあんな風に逃れたのでしょうか。この辺りは創作が入っているような気がしなくもありません。

ともあれ、彼の音楽が後世に受け継がれたことを喜ぶと共に、大戦中の迫害で命を落とした多くのジプシーにも思いを馳せました。


Django」(2017年フランス)

2022年1月17日 (月)

おかえり、ブルゴーニュへ

セドリック・クラピッシュ監督のワイン造り映画です。

最初のほうはあまり面白さを感じず、家を飛び出した長男のことも共感を持てなかったし、醸造家としての自分に自信のない妹や、妻の実家で遠慮している末弟の苦労は、それなりに理解はできたものの、それだけでした。

ただ、ワイン農家が舞台の映画はいくつも見てきましたが、ここまで具体的に一年を通してワイン造りが描かれるのを見たのは初めてだったし、品種の違いで収穫のタイミングを測ったりする様子は楽しめました。

後半は、長男の妻子がオーストラリアからやってきて、家族の微妙な関係や、そこから発展して徐々に理解し合っていく兄妹たちが、それぞれ成長していく姿はなかなか良かったです。

父が亡くなった後に相続税が払えず売却しようかと考える辺りはリアルでしたが、実際にワインを造っているメゾンではどう乗り越えているのでしょうね。

フランスのニュースで中国人が投資のために買ったりしてるって話も聞いたことがあるけど、それも相続税が理由の売却なのかな、なんて思ってしまいました。


Ce Qui Nous Lie」(2017年フランス)

2022年1月15日 (土)

レジデント シーズン4

放送終了より少し遅れて、ようやく見終えました。
グレイズ・アナトミー」と同様、こちらもコロナの影響を大きく受けた医療現場を描いていました。

でも、コンラッドとニックの結婚式で始まり、主な人たちが皆参列していたので、感染した人も回復すると分かって安心していられました。

今シーズンの大きな出来事としては、ビザが切れてアメリカに滞在できなくなったナイジェリア人のミーナが去りました。AJも一緒にナイジェリアに行くはずが、養母の病気で断念。
以前にも登場した養父のマイケル・ポール・チャンが、マルコム・ジャマル・ワーナーと「メジャー・クライム」繋がりだったことに今更ながら気づきました。(前シーズンのキアラン・ジョヴァンニもそうでしたよね)

最終話はコンラッドとニックの間に無事子供が生まれ、デヴォンはデヴィとくっつき、ベルの元継子ジェイクも養子を迎えることができ、チャステインは赤字経営から脱却と、めでたしなエンディングだったので、まさかシリーズ終了かと思ったけれど、次もあるようです。


The Resident」(2021年アメリカ)

2022年1月11日 (火)

マーメイド・イン・パリ

アニメかと思っていたら実写映画でした。

同じく人魚に恋をする「スプラッシュ」や、天使と恋に落ちる「天使とデート」を思い起こしましたが、青年相手の2作品と大きく異なり、40歳になろうという中年さしかかり男性っていうのがミソ。
とはいえ、ちょっと若き日のランベール・ウィルソン似で、見た目は悪くありませんでした。

何で普通は若い男性かというと、人魚や天使という存在を受け入れる純粋さや恋愛の未熟さっていうのがあると思うのですが、こちらの主人公ガスパールは、40歳でも心は大人になっていないようですし、恋愛経験は豊富でも失恋ばかりというのも、その辺りに原因があるのかなと考えたりしました。

「スプラッシュ」のダリル・ハンナや「天使とデート」のエマニュエル・ベアールと同様、こちらの人魚もキュートで、男性を虜にするのも納得でした。
ガスパールが歌声を聞いても平気っていうのは都合よすぎな気もしますが、そこはファンタジーってことで。

ガスパールのお父さん役チェッキー・カリョがいい味だでした。夫を殺されて人魚を追いかけるロマーヌ・ボーランジェ(「そして誰もいなくなった」)の鬼気迫る感じもすごかったです。


Une Sirène à Paris」(2020年フランス)

2022年1月10日 (月)

フランス絶景ミステリー コレクション 5

今月はフランス映画月間にするといいつつ、フランス映画の記事を書けていませんが、昨年放送されて見る時間のなかったこちらのドラマを見終えたのでコメントします。

相変わらずどの回でもフランス各地の美しい景色を堪能できますが、犯罪捜査とストーリーで気に入ったエピソードは、サン・ギレームが舞台の話。悪魔の橋と呼ばれる場所で遺体が発見され、昔の事件と悲恋が明らかになり、犯人が分かってもビタースウィートなエンディングでした。

ジュラ山脈の回も、ダム建設の賛否で村が二分され、対立する家族の子供が相棒となって捜査する話が良かったです。
相棒の片割れでリヨンから来た警部役ピエール=イヴ・ボンという人は、「アキテーヌ」の回でも刑事でしたね。

出演俳優としては、この同じ「ジュラ山脈」のエピソードで、「ミステリー in パラダイス」のエリザベート・ブールジーヌが出ていました。その他、「コニャック」の回と「ベル・イル島」の回にそれぞれ「アート・オブ・クライム」のエレオノール・ベルナイムとニコラ・ゴブが、「トロワ・ヴァレー」には「アガサ・クリスティーの謎解きゲーム」のサミュエル・ラバルトが、「プロヴァン」の回には「心配性刑事ワグナー」(記事にはしていないけど)のジル・アルマが出ていました。

今回も、本文中で言及したエピソードの原題と製作年をリストにしておきます。

「コニャック」 Meurtres à Cognac (2019)
「トロワ・ヴァレー」 Meurtres dans les Trois Vallées (2021)
「アキテーヌ」 Les Enfants du Secret (2018)
「プロヴァン」 La Malédiction de Provins (2019)
「サン・ギレーム」 Le Pont du Diable (2018)
「ベル・イル島」 Meurtres à Belle-Ile (2019)
「ジュラ山脈」 Meurtres dans le Jura (2019)

2022年1月 8日 (土)

S.W.A.T. シーズン4

先月放送終了した第4シーズンをようやく見終えましたが、まずは記事にしていなかった前シーズンの日本ロケエピソードについて。

日本側捜査責任者のソニー・サイトウは、「Hawaii Five-O」ではヤクザの親分だったので変な感じでしたが、日系だけあって日本語のセリフは完璧でしたね。たまに中国人や韓国人が演じて発音が怪しいことがあるので。
ただし、技術員とはいえ、青い髪に顔ピアスの人は、さすがに警視庁にはいないんじゃないかなと思います。

今シーズンは2020年3月以降が舞台ということで、マスク姿が目立ち始めていましたが、コロナの話題は少な目で、BLM運動をかなり取り上げていました。
Law&Order:SVU」でも触れられていたけれど、こちらはSWATのリーダーが黒人のホンドーなので、このテーマはスルーできないってことなのでしょうが、警察内の差別主義を告発するのは、かなり大胆な問題提起だなと感じました。

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2022年1月 5日 (水)

刑事モース シーズン8

今シーズンも全3話視聴しましたが、今回はイマイチで、それはひとえにモースが深酒して本来の能力を生かしきれず、精彩を欠いていたからに他なりません。

逆に、同僚のストレンジが好印象で、サーズデイの娘と距離を縮めているのも納得でした。
天才肌のモースは、前々から気配りが少な目だったけれど、今は自分の問題で手一杯となり、普段以上に他者を寄せ付けなくなっていましたからね。

それもこれも前シーズンのベネチアの事件が原因らしいけれど、確かにモースが傷つく結果に終わったとはいえ、1年も引きずって飲酒問題も抱えるほどだったのでしょうか。周囲の人たちがこぞって仕方ないと認めているぐらいだから、そうなのでしょうが。

このドラマではいつも、時代を感じさせる事件が起こりますが、今回は北アイルランド紛争。向こうからやって来たサッカー選手にまつわる話や、サーズデイの息子がアイルランドで治安維持にあたるという話もありました。

ラストでモースは、自らの問題を認識してしばらく休むと言っていたし、次回はこれまでのような魅力的な捜査官として復活してほしいです。


Endeavour」(2021年イギリス)

2022年1月 3日 (月)

2022年の初めに

新しい年が始まりました。

毎年この場で1年の抱負を書いていますが、今年はズバリ、フランス語回帰です。
最近フランス語がすっかり錆びついている(もともと大して話せないのですが)と感じることが多く、ブラッシュアップを図らねばと思っています。

考えてみると、以前は定期的に(年2回とか、多いときは年4回)フランス映画月間(ないし週間)を実施していたのに、最近すっかりご無沙汰に。
というわけで、今年はフランス映画月間を復活させ、映画を見ながら楽しくお勉強したいと思います。

早速ですが、いつもは5月(カンヌ映画祭の時期)や11月(ボジョレーの季節)にやっていたフランス映画月間を、今年は1月から開始します!
どんな映画を見るかはお楽しみに。というか、まだ決めてもいないんですけれどね。何せ気分次第なので・・・。

皆様、今年もよろしくお願いします!

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