バース・オブ・ネイション
1831年に白人に対して黒人奴隷が反乱を起こした事件の指導者ナット・ターナーの伝記映画で、アメリカ公開時から気になっていた作品です。
最初は、従順なナットがどうして立ち上がろうとしたのか不思議でした。地主のサムは子供の頃に一緒に遊んだ仲だし、大奥様も優しくてナットに読み書きを教えてくれたし、自分の処遇に疑問も抱かなかったと思います。
それが、聖書を学んで黒人の宣教師的立場となり、彼に奴隷を制御させる目的であちこちの農場に連れていかれ、各地で悲惨な状況の奴隷たちを目にしてしまったことで、変化したんですね。
更には、自分の身近な人たちも被害を被るに及んで、我慢ならなくなったということでしょうか。
サムにしたって、いい主人ではあっても友達ではなく、黒人としての一線を越えるようなことは決して許さなかったし。「それでも夜は明ける」のフォードと同じだなーと。
反旗を翻したやり口が暴力的なのには抵抗感ありましたが、このくらいやって白人を怯えさせないとってことなのでしょうか。ただ、その後奴隷に対する締め付けが更に厳しくなったとのことなので、この暴力による行動が果たして効果があったのかは不明です。
タイトルが1915年の無声映画「國民の創生」(私もずいぶん前に見ました)と同じだなと思っていたら、やはりKKK礼賛のようなあちらの映画の対比として、皮肉交じりに同名の題をつけたようです。
「The Birth of a Nation」(2016年アメリカ)
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