« 2021年5月 | トップページ | 2021年7月 »

2021年6月

2021年6月27日 (日)

カミーユ

実在のフランス人フォト・ジャーナリスト、カミーユ・ルパージュの伝記映画です。
彼女のことは知らなかったし、中央アフリカの内戦も記憶にありませんでした。

アフリカにはフランス語圏の国も多く身近なのでしょうが、とはいえ若い女性が単身渡って取材するなんて、勇気があるなと思います。
この国の惨状を世界に発信して知らせたいという使命に突き動かされたのかもしれませんが、危険地帯に乗り込んで行くなんて、いつもながらこういう人たちには感心します。

この映画でもう一つ考えさせられたのは、報道する側の姿勢について。世界の各地で紛争だの虐殺だの暴政だのがあって、世の中の関心はどんどん移っていき、それに応じて報道の対象も変えざるを得ないという現実を見ました。

カミーユは中央アフリカの仕事を認められて、ウクライナの取材をオファーされても、アフリカに戻ったけれど、本当に中央アフリカという国に魅せられたんですね。報道写真家という仕事が好きなだけなら、アフリカで会ったおじさんカメラマンのように、あちこち飛び回って取材するだろうし。
結果的に命を落とすことになったけれど、彼女はこの選択を後悔しなかったのではないかと思います。


Camille」(2019年フランス)

2021年6月21日 (月)

マクドナルド&ドッズ

昨年シーズン1を見た時にも記事を書くチャンスはあったのですが、結局書かずじまいだったのは、期待外れだったから。今シーズンも面白かったとは言い難いのですが、とりあえず全3話、前シーズンと合わせると計5話を見たので、簡単に感想を述べたいと思います。

がっかりしたのは、前評判を聞いたせいもあると思います。現代版コロンボという触れ込みでしたが、ドッズはしょぼいオジサンってところが似ているだけで、見た目とは裏腹に賢く鋭いコロンボとは全く違います。
確かに着眼点の良さは認めますが、ドジも多いし、マクドナルドの助けもあって成功している感じでした。

今シーズンの第1話では、ドッズに似たタイプのおじさんとして、ロブ・ブライドン(「スティーヴとロブのグルメトリップ」)が出て、完全にドッズを食っていたように見えたのは、私の欲目でしょうか。
彼がドッズ役だったらもっと興味を持てたかもと思いつつも見続けたのは、被害者と容疑者がコロナで自主隔離とか、インフルエンサーが整形手術を実況中継っていう今っぽい設定と、バースのやたら美しい映像などによるものかもしれません。

果たしていつまで見続けられるかわかりませんが、とりあえず次シーズンの放送時にまた考えます。


McDonald &Dodds」(2021年イギリス)

2021年6月19日 (土)

アート・オブ・クライム シーズン4

こちらもフランス発の犯罪捜査ドラマで、今年5月に本国で放送されたばかりの第4シーズンを見ました。
先の「アストリッドとラファエル」とは異なり、犯罪自体は本格派ではないものの、毎回美術にまつわる話なのが興味深くて見続けています。

今シーズンで取り上げられたのは、ゴッホとロートレック。ゴッホは死の真相にまつわる犯罪、ロートレックのほうは彼の生活拠点ムーラン・ルージュが舞台の殺人でした。

このロートレックの回にムーラン・ルージュの踊り子として出ていたのが、「アストリッドとラファエル」のアストリッドことサラ・モーテンセン! 事件がきっかけで記憶喪失になった彼女を診察する脳科学者役ジャン=ルイ・ギャルソンはラファエルの上司だし、こちらのパルド警視も向こうのドラマに容疑者の一人としてゲスト出演していたし、繋がりを感じました。

シャサーニュがヴェルレ警部を好きなのはいいとしても、行動が稚拙なのが鼻につきます。前からおっちょこちょいなところはあったけれど、ここまでひどくなかったので、最初のシーズンでヴェルレの芸術音痴が売りだったのが解決ついたんで、方向転換したのかなと思ったりも。
絵画がテーマなのが面白くて見ているけれど、このシャサーニュにはさすがに閉口気味です。


L'Art du Crime」(2021年フランス)

2021年6月13日 (日)

アストリッドとラファエル

よくある刑事と部外者の相棒による犯罪捜査ドラマですが、両方とも女性っていうのが現代的だし、片方は自閉症というのも目新しかったです。

確かに高機能自閉症の人たちは賢くて目の付け所も違うし、捜査能力に秀でていそうですよね。問題は人間関係の構築ですが、ここではラファエルがうまく対応し、アストリッドをサポートしていました。

とはいえラファエルも自閉症に詳しいわけでなく、支援グループの人や、アストリッドが懇意にしている日本人のムッシュー・タナカから教わっていました。

アストリッドは本当に日本の物が好きみたいで、タナカさんの日本商品の店に通い詰めるだけでなく、パズルにはまったきっかけは、父親からもらった寄木細工の秘密箱!

そんな彼女に私もどんどん魅かれました。ラファエルだけでなく、最初は自分のミスを指摘されて反感持ってた検視官のフルニエでさえ、すっかり彼女の評価を変えましたものね。

アストリッドの知識と洞察力を披露するドラマなので、証拠の発見やトリックの見破りに主眼のある本格捜査なのも、このドラマを気に入った理由の一つです。


Astrid et Raphaelle」(2019~2020年フランス)

2021年6月 8日 (火)

インフェルノ

先月「わが心臓の痛み」を読んだのに続き、やはり映画化原作であるダン・ブラウンのこちらの本を読みました。

映画を見たときに記事も書いたのですが、4年ぐらい前なので細かいところは忘れていたし、ラストがだいぶ変わっていたので驚きました。

主人公のラングドン教授はどうしてもトム・ハンクスを思い浮かべ、彼と一緒に逃亡するシエナはフェリシティ・ジョーンズをイメージしましたが、その他の登場人物が俳優を特定できなかったのは、設定が微妙にずれていたからなんですね。

それに、私が好きな俳優ベン・フォスターが映画で演じたゾブリストは、原作の中では違う印象で、彼を念頭に読み進めることができませんでした。

映画を見た時にはなかった要因として現在のコロナ禍があり、今読むと感染の怖さとかその裏にある悪意が妙にリアルで、このコロナ騒ぎを見て利用価値を見出す人がいなければいいなと思ってしまいました。

また、昨年見た映画「9人の翻訳家」は、この「インフェルノ」翻訳時に実際に行われた隔離が元になっていると聞いたので、この内容(結末)なら外に漏らしたくないのも納得だと考えながら読みました。


「Inferno」(ダン・ブラウン著・角川文庫)


« 2021年5月 | トップページ | 2021年7月 »