博士と狂人
かのオックスフォード英語辞典の編纂に変わった二人の話です。実話なのが驚きで、だからこそ映画にはもってこいの題材とも言えます。
なかなか進まない辞典の編集人として新たに抜擢されたのは、学校は14歳で辞め学士号も持っていない、独学で言語学の優れた知識を習得したマレー氏。
それだけでもびっくりですが、辞典作成に一般の人々の助けを借りることになり、そこで協力したのが殺人罪で精神病棟に収監されている人物。ただ、囚人なので時間はあるから、手伝う気さえあれば役に立つのは分かる気がしました。
それまで全単語をまとめた辞典がなかった時に、一から作るのはそれだけで大変なのに、時代によって意味が変わるからと、その出典(引用)までも加えるという野心的取り組みで、気の遠くなるような作業だったことは容易に想像がつきます。
マレー氏を採用するまでにすでに20年も経っていたことを考え合わせると、完成に漕ぎ着けただけでも偉業と言わざるを得ません。
最初キャストを聞いたときに、ショーン・ペンが博士でメルギブが囚人かと勝手に憶測していましたが、映画を見た後では、この配役で合っていたかもと思います。
「The Professor and the Madman」(2018年イギリス・アイルランド・フランス・アイスランド)
« 消えた声がその名を呼ぶ | トップページ | カリンカ »
「映画」カテゴリの記事
- 男と女 人生最良の日々(2022.06.21)
- 愛は静けさの中に(2022.03.22)
- モーリタニアン 黒塗りの記録(2022.03.21)
- タミー・フェイの瞳(2022.03.06)
- 夜の大捜査線(2022.02.20)
コメント