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2021年1月

2021年1月31日 (日)

パターソン

何てことない日常を描いているのに目が離せない作品で、私はこういう作風の映画が好きだとわかっていたのに、ずっと積ん録していたのを、ようやく見ました。

主人公のパターソンは、いたって平凡なのですが、奥さんはユニークだし、バス会社の同僚ドニーも笑えるし、行きつけのバーのマスターもいい味だし、そんな周囲の人たちとの対比が、飽きさせない要因だと思います。

それに、バスの運転手をするパターソンが、乗客の話に耳を傾けながら時折笑みを浮かべたりする、その何気ない様子がとても良くて、アダム・ドライヴァーの演技が光っていました。

舞台となるパターソン(地名と主人公の名前が同じで紛らわしい)にゆかりのある有名人の話もちょくちょく出てきて、特にラストは、そのゆかりの詩人の話で興味深かったです。

ジャームッシュ監督が詩人に頼んで書き下ろしてもらったという、劇中でパターソンが創作する詩も味わいがあったし、パターソンという土地も監督が実際に訪れて映画にしたいと思ったとかで、彼の思いに溢れた映画でした。

監督の「ミステリー・トレイン」にも出演した永瀬正敏の名前がクレジットにあったので、いつ出てくるかと思っていたら、ラストのラストで登場し、でも主人公に影響を与える重要な役どころでした。


Paterson」(2016年アメリカ)

2021年1月29日 (金)

アグネスと幸せのパズル

以前見たアルゼンチン映画「幸せパズル」のアメリカ版リメイクです。

自分の誕生パーティーなのに自ら準備してもてなし、その時に割れた皿のかけらを繋ぎ合わせてパズルの才能を発揮するなど、オリジナルをかなり踏襲していました。

旦那は優しいし、2人の息子たちとも仲良くやっているし、不自由ないように見えますが、家族と教会と田舎の生活だけで何の楽しみもなかったアグネスが、ロバートと出会ったことでパズルの奥深さだけでなく外の世界を知り、徐々にフラストレーションを感じていく様子がよく分かりました。

自分は決して幸せではなかったと、単に我慢していただけ、いえ、我慢していることさえ意識していなかったのだと気づいたおかげで、長男の悩みにも手を差し伸べられたし、次男の考えに対しても理解が深まったのかなと思います。

ラストもオリジナルと同じだったのに、前回よりも受け入れやすかったのは、私の人生経験によるものと言いたいところですが、恐らく今回はアグネスだけでなく家族全体の再生が感じられたからだと思います。

私も昔ジグソーパズルにはまった時期があったので、久々にやってみたくなりました。

ロバートを演じたイルファン・カーン(「スラムドッグ・ミリオネア」「ライフ・オブ・パイ」)は、この映画でも印象的でしたが、昨年惜しくも亡くなってしまい、まだ若かったのに残念です。


Puzzle」(2018年アメリカ)

2021年1月28日 (木)

シェイクスピアの庭

ウィリアム・シェイクスピアとその作品はもちろん知っていますが、彼の家族や晩年のことは全く知らなかったので、非常に興味深かったです。

シェイクスピアの息子は夭折し、その双子の女の子のほうと、もう一人の娘だけが大人になったんですね。でも、2人ともスキャンダルに巻き込まれてしまって。
男の子どもだけが相続権を持った時代に、シェイクスピアが亡くなった息子のことばかり気にかけるのは仕方がないのかもしれませんが、2人の娘たちが可哀想でした。

年上の妻のことも、大切にしていたのだろうとは思いますが、十分愛情を示していたとは言い難いし、果たして自分の作品や世間の評価以上に大事にしていたのかどうか。

でも、もしシェイクスピアが家庭人だったら、あんなに多くの名作を創作できたかは疑問だし、そこが芸術家の難しいところですね。

シェイクスピアに似せた容姿にしているせいで、パッと見分からなかったケネス・ブラナーですが、当代きってのシェイクスピア俳優が監督&主演で、まさにピッタリだと思いました。


All is True」(2018年イギリス)

2021年1月26日 (火)

ステーション19

医療ドラマ「グレイズ・アナトミー」のスピンオフで、消防士を主人公にした話。「シカゴ・メッド」と「シカゴ・ファイア」みたいな関係ですが、舞台はもちろんシアトルです。

「グレ・アナ」はもうずっと見ていますが、正直言って、こちらの方はあまり面白さを感じませんでした。中心となる2人、アンディとジャックが隊長の職を争いながらも恋人同士ってのが、どうなのかなーと。

途中で何度か見るのを止めようかと思ったけれど、消防士となった夫ベンの傍らでミランダがちょくちょく顔を出す他、メレディスやシュミットが出たこともあり、その繋がりで辛うじて見続けている感じ。

これまでも、最初はイマイチでも見続けるうちに面白く思えるようになったドラマもあるし(「NCIS:LA」とか「レジデント」とか)、今後どう話が展開するか次第で興味を持てるようになるかもしれません。

個人的には、ジャックよりもアンディの幼なじみで警官のライアンのが好みなので、彼が活躍する場面が増えて、アンディともうまくいってくれたらいいなと思います。


Station 19」(2018年アメリカ)

2021年1月24日 (日)

ザ・ウェイバック

自身も依存症だったベンアフが酒に溺れる役を演じるというので、アメリカ公開時に話題になっていたのを見て気になっていた映画です。

弱小チームが異例の頑張りで優勝するスポ根映画や、ダメコーチが生徒を指導する過程で自分の人生を取り戻していく話はよくあるテーマなので、果たして新鮮味のあるストーリーにできるのか、疑問に思いながら見始めました。

途中までは、よくある展開で進み、それでも程よく感情移入できましたが、弱小チームが勝つと同時に主人公も立ち直ってめでたし!ではない辺りが、一味違いました。

もう一つ違ったのは、普通はダメコーチは大抵、人間関係に問題のある嫌われ者なのですが、今回の主人公ジャックは、酒にのめり込むきっかけになった出来事に同情の余地があり、そのせいか家族も元妻でさえも彼を気にかけ、支えたり見守ったりしていました。

そんな風なので、ドラマチックに作った感がなく、リアルっぽさを感じられて、私としては悪くなかったかなと思いました。


The Way Back」(2020年アメリカ)


2021年1月23日 (土)

宇宙戦争

スピルバーグ監督&トムさん主演の映画は見ましたが、H・G・ウェルズの原作を読んだことがなかったので、現代風に味付けされていない設定が新鮮でした。

特に、SFというと近未来が舞台だったり、少なくとも現代社会にUFOが出現したりするわけですが、交通手段は馬車が当たり前で、通信手段は電信しかなかった時代に、超ハイテクな宇宙船が現れるそのギャップがすごかったです。

トムさんの映画では、宇宙人との戦いに勝って終わり(原作もそうみたい)ですが、ここでは宇宙人との戦争から5年後の荒廃した地球の様子が描かれていて、しかも宇宙人の襲来に逃げまどっている時代と交互に見せていたので、最初は困惑しました。

確かに5年後の状況を見せることで、宇宙人との戦いがどう進んだのかや、離れ離れになった主人公のカップル(結婚してなくて後ろ指さされるところは原作にはないオリジナルですよね)が再び出会えたのか、興味をかき立てられました。

ラストで話がつながって納得はできたけれど、もう少し説明が必要というか、困惑しない程度に整理して見せてほしかったです。


The War of the Worlds」(2019年イギリス)

2021年1月22日 (金)

フォッシー&ヴァードン

サム・ロックウェル主演ということで、エミー賞授賞式の時から気になっていたドラマです。

ボブ・フォッシーのことは知っていて、「キャバレー」「オール・ザット・ジャズ」はもちろん、「レニー・ブルース」や「スウィート・チャリティ」も見ていますが、グウェン・ヴァードンのことは今回初めて知りました。舞台中心に活動していたせいもあると思うけど、後年「コクーン」に出ていたと知り、思わず映画を見直して確認しちゃいました。

芸術家にはありがちですが、フォッシーもまた女好きで酒とドラッグにも手を出し、でも口がうまくて優しいことばかり言うから、女性には魅力的に映ってすぐなびいちゃうのかなと思います。

グウェンとの関係は、お互いに支え合っているようでもあり、でも足を引っ張っているようでもあり、同じ業界にいると便利な反面、比較され張り合う場面も出てきて微妙だなと感じました。

「オール・ザット・ジャズ」は世間的には評価が高いようですが、私にはイマイチで、見た当時はフォッシーのことも彼の自伝的映画だとも知らなかったし、そもそもミュージカル好きでなかったというのもありますが、今回彼の人生を知って、改めて見てみたくなりました。

一つ発見したのは、「Law&Order」や「ジェシカおばさんの事件簿」など犯罪捜査ドラマで馴染みのあるジェリー・オーバックが、昔はミュージカル俳優だったこと。フォッシーとヴァードンの舞台「シカゴ」にいたらしくて驚きました。


Fosse/Verdon」(2019年アメリカ)

2021年1月16日 (土)

そして誰もいなくなった フランス版

このブログで何度となく書いているように、フランス人はクリスティー好きらしく、しかも原作に忠実というよりはアレンジを加えたものが多いですが、これもそんな一つです。

まず、すっかり現代の設定になっていて、離島でも最初は携帯が繋がったし(すぐに使えなくなったけど)、犯人が各部屋に隠しカメラを設置してモニターで映像を見ていたりしました。

10人の職業や過去に犯した殺人にしても原作と異なっており、当然ながら犯人も違っているのですが、そういう意味では原作を熟知している私でも、犯人探しをしながら楽しんで見ることができました。オリジナルに沿ったイギリス版「そして誰もいなくなった」も、それはそれで良かったんですけれどね。

犯人探しといっても、原作の犯人像を考えると実行できる人は限られるので、ある程度予測はできました。そして、原作でも使われたトリックが用いられた時には、その予測は確信に変わりました(そして、実際その通りの犯人でした)。

新鮮だったのは、離島以外の世界を見せていたこと。パイロットが不審な死を遂げて、地元警察が捜査するうちに、離島に運ばれた人たちのことを知って調べ出す側面とか。

集められた10人の1人にロマーヌ・ボーランジェ(「野性の夜に」)。久々に彼女を見て、「最近はテレビドラマに出ているのかしら。パパもこの間「フランス絶景ミステリー」のドラマに出ていたしね」なんて思っていたら、何のことはない、リシャール・ボーランジェも彼女の実父役で登場しました。

また、現地警察の刑事でマチュー・ドゥミが、10人の1人ニーナの不倫相手の妻役でヴィルジニー・ルドワイヤンが出ていました。


Ils Étaient dix」(2020年フランス)

2021年1月12日 (火)

ジ・アメリカンズ シーズン4・5・6

一昨年にシーズン3まで見たドラマの、残りのシーズンをファイナルまで見終えました。

前シーズンまでは、ソ連のスパイとして活動する傍ら家族のことで悩むフィリップとエリザベスや、お向かいのスタンもFBIの仕事とプライベートの両方を描き、アメリカ側での人間ドラマが主軸でした。

しかし、ニーナがソ連で収監されている様子に続き、シーズン5ではオレグが帰国した後の生活と、アメリカのドラマなのに半分ぐらいロシア語でソ連が舞台なんて、これまでの映画やドラマと全然違うなと思いました。
と同時に、こんなドラマを作れるようになったぐらい、冷戦は遠い昔になったんだと実感しました。

第4シーズン第9話のエピソードタイトルにもなっていた「ザ・デイ・アフター」は、私もほぼリアルタイムの1984年に見ており、当時は子供ながらに核戦争の脅威を感じたことが思い出され、そんな記憶がこのドラマのリアルさを意識する要因にもなっているのかなと考えたりしました。

最終シーズンは、これまた記憶に残っているゴルバチョフとペレストロイカにまつわる話。オレグがアメリカに戻り、祖国が間違った道に進むのを阻止しようとします。
実際にソ連でどれだけの人がゴルバチョフに賛成や反対をしていたのか知りませんが、あながちあり得ない設定でもないと思ってしまいました。

第5シーズンで、それまで任務として結婚した振りをしていたフィリップとエリザベスが、ミハイルとナデージダとして正式に結婚するシーンは感動しました。
それと同じくらい感動したのが、シリーズ最終話の最後のシーン。皆が幸せに平和に暮らせますようにと願いました。


The Americans」(2016~2018年アメリカ)

2021年1月 3日 (日)

2021年の目標

昨年は皆さんそうでしょうが、新型コロナウイルスに振り回された年でした。

緊急事態宣言の頃は、私も人並みに?在宅勤務をしていたので、ほとんど外出しなかったこともあり、自宅で映画や海外ドラマを見ていました。この調子でたまった録画をサクサク消化できるかと思いきや、その後はずっと8割がた出勤していた上、最後の頃は仕事も忙しくなってしまって、結局期待外れのまま終わってしまいました。

今年こそは積ん録解消するぞー!を目標に頑張りたいと思います。とはいえ、それがコロナ禍による外出自粛のお陰ということにはならないよう、一日も早い終息を願っています。

今年も、たちばな・ようと本ブログをよろしくお願いします。

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