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2015年11月21日 (土)

パナマの仕立屋

ピアース・ブロスナンとジェフリー・ラッシュ共演で映画化された「テイラー・オブ・パナマ」の原作を読みました。

パナマで仕立屋を営むイギリス人のハリー・ペンデル。アメリカ人の妻と2人の子供と幸せな家庭を築き、仕事も順調だった彼の元へ、突然イギリスの諜報員アンディ・オスナードがやってきます。ハリーがパナマの要人ほとんどの服を仕立てており、妻のルイーザはパナマ運河に関わるデルガドのアシスタントをしていることから、オスナードはハリーを通じて情報を得ようとしたのでした。


以前、「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」(「裏切りのサーカス」の原作)を読んだときにも思いましたが、ジョン・ル・カレの文章は本当に堅くて難しいですね。
今回も、複雑なプロットと政治的かけひきに、なかなかついていけませんでした。


読者には早い段階からウソと知らされている仕立屋の情報に、周りがどのように踊らされるかとか、疑わしいと思っていても私利私欲が優先して見て見ぬふりの政治家とか、そういった人間性が描かれていました。
国家よりも自己の利益が優先され、ここまで極端じゃないにしても、現実世界で十分あり得るシチュエーションだと思えました。

中心となるオスナードも、映画ではボンド役者ブロスナンが演じているせいで、キャリアのあるスパイになっていましたが、本書ではスパイになりたての新米なので、功を急ぐあまりハリーの情報を盲信しているのかとも思えるし。でも一方では、うすうす感づいていて利用しているような気もしたし。

映画を見たのはずいぶん前なので、細かい点の記憶はあいまいですが、ラストのどんでん返しが面白かった覚えがあるので、多分それは、エンターテインメント性を出すために、原作をほどよく端折ってまとめているからなのでしょうね。

本当は、引き続きこの後、「ロシア・ハウス」や「リトル・ドラマー・ガール」「ナイロビの蜂」といった映画化作品を読みたいと思っていたけれど、映像世界にすっかり慣れてしまった私は、ル・カレのファンには怒られそうですが、映画の方がかみ砕いていてわかりやすく楽しめる気がします。

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