バラ色の選択
もう1本、93年製作の見逃し作品を。
ニューヨークの一流ホテルで働くダグは、有能なコンシェルジュ。稼いだチップを元手に、自分のホテルを持つのが夢です。金持ちの客ハノーバーの出資を得るために、彼の愛人の世話を引き受けることになった彼は、その相手が前から好きだったアンディと知ってショックを受けます。しかし、夢の実現のために、自分の気持ちを追いやって、ハノーバーに便宜を図ります。
ダグが有能なのは、単に気が利くだけでなく、相手の望みを、本人が気づいていない部分までわかって実現するからなんですね。それがもう染みついちゃっていて、仕事と関係ないところでも、人の望むことを言ったりやったりしてしまう。
そんな一種の職業病なのがよくわかり、アンディに対しても誰に対しても、自分自身の気持ちとかけ離れたところで動いてしまうシチュエーションに、とても納得がいきました。自分でも、「僕は(アラジンのランプの)ジーニーだ」って言っていましたし。
先の「忘れられない人」同様、こちらもあまり古臭い感じがしなくて、ダグとアンディがハノーバーの高級車に乗っている時に、シートベルトをしなかった(最近の映画は啓蒙のためか、あえてベルトを締めるシーンを見せる)ところが昔だなーと思ったぐらい。
でも、もしかしたら、80年代後半から90年代前半は私にとっての映画黄金期だったので、単純に私が楽しめるだけなのかも?
原題は「愛か金か」というまさにドンピシャなタイトルですが、邦題はそれだと余りにそのものですし、やはりマイケル・J・フォックスが主演で当たった「摩天楼はバラ色に」という映画があるので、掛けたのでしょうね。
ラストはお定まりの展開ですが、ラブコメというのはそういうものなので、特に不満もなし、でした。
主演のマイケル・J・フォックスが若くてカワイイのはもちろん、アンディ役ガブリエル・アンウォー(「バーン・ノーティス」)も可憐でした。他には、ダグを調査する国税局のボブ・バラバンに、ホテル客のダン・ヘダヤとデブラ・モンク。
見逃しシネマ的発見では、ダグにハノーバーを紹介する知人パトリック・ブリーンと、怪しい時計屋のエリック・アヴァリ。
監督は、「ビッグ」でもコメントした、「メン・イン・ブラック」シリーズなどのバリー・ソネンフェルドです。
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