フライト
デンゼル・ワシントンがアカデミー賞にノミネートされた作品です。
アトランタへの飛行中に制御不能になった飛行機を、離れ業の操縦で何とか胴体着陸させたパイロットのウィップ・ウィトカー機長。最初は英雄視されるものの、事故直後の血液検査でアルコールとドラッグが検出され、責任を問われそうになります。
この話ってやっぱりあの「ハドソン川の奇跡」に着想を得ているのでしょうか。でも、映画のほうでは、不時着の出来事は副次的ストーリーで、メインは依存症だったウィトカー機長がどのように克服し再生していくかという話でした。
依存症については、映画やドラマで何度も目にしていますが、自覚しないうちはダメなのだと今回つくづく感じました。8日間もしらふで通して大丈夫かと思っても、アルコールを目にしてしまった瞬間に元に戻ってしまうんですね。
これは、ヒーローにならなければ明るみになることもなかった事実ですよね。逆に、たとえ今回の事故がウィトカーのせいでなくても、遅かれ早かれ彼に起因する事故が起こった可能性が大きいことを考えると、恐ろしいです。また、同じことが車の飲酒運転にも言え、たとえ依存症じゃなくてもアルコールの入った状態で運転することの危険性とか、いろんな意味で考えさせられました。
ドラッグ中毒のニコールがウィトカーとどう関係するのか、最初はわからず疑問を持ちながら見ていましたが、事故後の入院先がニコールの搬送先と同じだったので出会ったんですね。ガン患者と3人で階段でタバコを吸いながら語らうシーンは、死に直面した人だけが共有できる感情を描いていて印象的でした。
そのニコール役には、「シャーロック・ホームズ」「犯罪捜査官アナ・トラヴィス」などのケリー・ライリー。その他、調査を受けるウィトカーを守る弁護士にドン・チードル(「再会の街で」)。ウィトカーの友人で組合の幹部にブルース・グリーンウッド(「南極物語」)。事故機に同乗していた客室乗務員のタマラ・チュニー(「Law&Order:SVU」)。事故調査委員会の責任者にメリッサ・レオ(「フローズン・リバー」)と豪華キャストでしたが、私はドラッグの調達をするウィトカーの悪友ジョン・グッドマン(「アルゴ」)が、登場時から見るからに怪しそうで(?!)気に入りました。
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