マリリン 7日間の恋
主演のミシェル・ウィリアムズがゴールデン・グローブ賞を受賞した作品です。
ハリウッド一の大スター、マリリン・モンローは、イギリスのサー・ローレンス・オリヴィエに招かれ、彼が監督と主演を務める「王子と踊り子」の撮影のため、渡英してきます。
映画産業に関わることに憧れてオリヴィエの事務所に職を見つけた23歳のコリンは、「王子と踊り子」の第3助監督、すなわち雑用係として雇われていました。次第にコリンはマリリンと親しくなり、慣れない環境で孤独感を深めるマリリンに頼られるようになります。
マリリン・モンローの生涯を描くのではなく、イギリスでの「王子と踊り子」の時にスポットを当てているところが面白いと思いました。
青年とのつかの間の恋もさることながら、セックスシンボルとして一世を風靡し、順風満帆でスター街道を走っていたハリウッドの時代ではなく、演技派への道を模索し、環境の違うイギリスへ渡った時の出来事を切り取ったストーリーというのが、孤立感に駆り立てられ青年との逃避行をしたくなったマリリンの心境に真実味があり、非常によかったと思います。
当時ローレンス・オリヴィエとうまくいかなかったというのは、昔読んだヴィヴィアン・リーの伝記から見知っていましたが、シェークスピア俳優として確固たる地位を築いたイギリス人のオリヴィエが、感性で動く女優モンローに反発を感じても当然かなという気がします。私自身、見ながら、女優ってこんなに気まぐれなものかな?と、ちょっとイラつきました。
ただ、映画を見ていくうちに気づいたのは、マリリンの異常とも思える無邪気さと、愛情に飢えた子どものように、甘えることで自分の孤独感を抑えているようなところ。彼女の男性に対するしぐさは、決して計算高いものではなく、本能的に男性受けを狙っているようなところがあり、それはきっと、今回も少し触れられていて、かつて見た彼女のドキュメンタリーでも聞いたように思うけれど、子供の頃からの愛情の欠如によるものだったのでしょう。そうでなければ、30歳にしてすでに3回の結婚歴があるなんてことないでしょうからね。
年下の青年コリンに魅かれたのも、彼の純粋さが、長年ハリウッドにいたマリリンには新鮮だったのでしょうね。それにしても、マリリンの前ではにかむ様子のコリンは本当にかわいかった! そばかすの残る顔もグッドで、私ももうちょっと若くてセクシーだったら捕まえたいと思うような男の子でした。(今やるとクーガー女になるからボツだけど!)
マリリン・モンローのことは、当然ながら子供の頃から知っていましたが、最初に見たのは「百万長者と結婚する方法」、次に「7年目の浮気」、そして初期の「イヴの総て」であり、「王子と踊り子」を見たのはそれから少し経ってからでした。
その当時は、あまり面白くなかったという印象しか残っていませんが、こうやって裏話的内容を知ると、再度見てみたくなりました。
マリリンを演じるミシェル・ウィリアムズは、好きな女優ではありませんが、「ブルーバレンタイン」をはじめ、ミニシアター系の良質な映画で才能を発揮していて、評価はしています。
大好きな英国俳優ケネス・ブラナーは、配役を聞いた時に、シェークスピア俳優の大先輩ラリー役としてピッタリだと思った覚えがあります。
また、ラリーの当時の妻ヴィヴィアン・リー役のジュリア・オーモンドは、「CSI:ニューヨーク」で見かけましたが、映画では久しぶり。似てはいませんでしたが、迫力はありました。
そして、そばかすのかわいいコリン役のエディ・レッドメイン。この作品で注目されて、「レ・ミゼラブル」でもキャスティングされたようですが、私はミュージカル好きでもないし、あまりによく知りすぎているストーリーの映画化ということで全く興味がなかったこの作品に、彼見たさにちょっと心魅かれはじめています。。
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