リカウント アメリカが揺れた36日間
イギリス政治について見た後は、バランスよく(?)アメリカ政治も見てみようと思います。こちらはフィクションですが、エミー賞で評価された、リアリズム溢れるテレビムービーです。
アル・ゴア副大統領の主席補佐官だったロン・クレインは、一度解雇されたものの、彼の大統領選の選挙スタッフとして呼び戻されました。そして、共和党の候補者ブッシュと接戦が伝えられる中、勝敗はブッシュの弟が知事を務めるフロリダ州の開票結果にかかってきます。
メディアは一度、ゴアの勝利を宣言、しかしその後それを取り消し、今度はブッシュの勝利を伝えるという異例の事態に発展します。そしてゴアが敗北宣言をしようという矢先、開票結果に不審な点があることにスタッフが気づきます。
2000年大統領選のこの一連の出来事は、当時もすごい騒ぎだったのを覚えていますが、改めて見てみると、本当にとんでもない状況だったんですね。それに、私の中では、あっさりゴアが諦めたような印象だけが残っていましたが、表に出ていない裏の画策がたくさんあったことがわかり、違った視点で見ることができました。
それにしても、投票用紙以外にも不備はいろいろあったんですね。そもそも、紛らわしい投票用紙を作ることも問題ですが、僅差じゃなければ見過ごされてきた、消印のない軍人票や、重罪犯と似た名前の人の扱いなど、両党が票をかき集めるためにほじくり返した数々の問題が明らかになりました。
「すべての票が数えられるべき」というのは真実だけれど、アメリカのように大きな国では集計を機械に頼らざるを得ないでしょうし、理想論に近いですよね。ただ、あまりに無効票が多すぎるのが問題であることは間違いないので、その改善に力を注ぐしかないのかもしれません。
その後の大統領選では、結果が僅差でなかったせいか、特に話題にもなっていないようですが、ちょっとは改善されたのでしょうか? 次に僅差の大統領選が起きた時に、「同じことの繰り返し」とならないよう、この経験を生かしてほしいです!
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