聖トリニアンズ女学院
先日「マンマ・ミーア!」で、久々にコリン・ファース様を見て以来、コリン様モードが再燃してしまったので、しばらくお付き合いください。
とはいえ、映画は女学生たちが主役です。
カミラ校長が采配を振るう聖トリニアンズ女学院は、イギリスでも最悪の問題児学校。そこへ、教育改革に着手するため、文部大臣が視察にやってきます。侵入者は撃退するのが使命の学生たちは、大臣も見事追い払うことに成功します。
すると、今度は学院の破産問題が持ち上がります。学校が閉鎖されるのを防ぐため、生徒たちは協力して立ち上がり、美術館の名画を盗んでお金にするアイディアを思いつきます。ナショナル・ギャラリーで開催される「スクール・チャレンジ」への参加を隠れみのに、そこで展示されている絵画を盗む計画を立て、実行に移します。
こんなドタバタでバカバカしい系のコメディがイギリスで作られていることに驚きました。シニカルでブラックなユーモアの国と思っていたので…。そして、そのドタバタ喜劇にコリン様が出演し、しかもオトボケで小馬鹿にされる役だったので、ちょっとショックで受け入れ難かったです。
でも、随所に小ネタが散りばめられており、それはなかなか面白かったです。原作は昔の漫画らしく、それを50年代に映画化した作品が、本作の原案になっているようです。
校長のカミラを演じるのは、女装したルパート・エヴェレット(「シャーロック・ホームズ 淑女殺人事件」)。しかも校長の弟と一人二役です。女装している彼の方が、本来の面影があって、顔の作りも悪くない(とりあえず女には見える、というかこういう女性もいる)ので不思議。ただ、彼は男性としても背が高いので(193cmらしい)、ものすごーく大柄な女性になってしまっていましたが。
そんなカミラ校長と、コリン様扮する文部大臣のジェフリーが、最初に顔を合わせるシーンがいたく気に入りました。カミラとジェフリーは大学の演劇部時代の知り合いで、しかも当時つきあっていたらしいのですが、バックに映画「慕情」のLove is a many splendored thingが流れ、「久しぶりね」「そうだな」と会話します。
このセリフが訳しにくいのはわかるのですが、日本語の字幕が残念で、原語で聞くと、「アナザー・タイム(まるで別の時代のことのよう(に久しぶり)ね)」「アナザー・カントリー(別の国のことのようだ)」って言ってるんですよ! そう、ルパートとコリン様がかつて学生時代のルームメイト役で共演した映画「アナザー・カントリー」にかけています。しかも彼らはその頃から仲が悪かったとの噂で、こうやって今共演できているのも感慨深いです。
もう一つのお気に入りシーンは、美術館から盗むことにした名画が、フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」で、生徒の一人が「スカーレット・ヨハンソンを盗むの?」と言うところ。もちろん、コリン様がフェルメールを演じた同名映画のネタです。しかも生徒たちは、「コリン・ファースの映画」とまで言っていました。
その他、「高慢と偏見」ネタはあちこちにあります。校長の愛犬ミスター・ダーシーとか。
メイン二人以外のキャストとしては、スクール・チャレンジの司会進行役で、先日「シャーロック・ホームズ シャドウ・ゲーム」で見たばかりのスティーブン・フライが出ていたり、出場する生徒たちのコーチをする元寮長役のミーシャ・バートンなどもいますが、教師だかなんだかよくわからない人物でラッセル・ブランドが出ていて、彼だけはこのドタバタコメディの雰囲気にマッチしていました。
(※コリン様ファン歴○十年の私の足跡をお知りになりたい方は、「英国王のスピーチ」の記事後半をご覧ください。)
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