サンキュー・スモーキング
少し前に「マイレージ、マイライフ」の時に、見たいと言っていたこの映画を、ようやく見ることができました。
ニックはロビイストという肩書きではありますが、世の中から憎まれ者のタバコ産業のスポークスマンです。口がうまいので、テレビ出演しても、禁煙派相手に立ちまわり、仕事の評価も上々ですが、別れた妻が引き取った息子とはコミュニケーション不足を感じています。
私は、ニックの仕事の話というより、私生活の立て直し映画のように見えました。息子は、最初彼の仕事を理解していないのですが、仕事先に彼を連れていくようになって、息子は父親のことを尊敬し始めます。その息子の目を通して、世間的には憎まれっ子のニックが、だんだ素敵な人物に見えてきます。(もちろん、中身は超ブラックなのですが。)
論点をすり替えることで負けをかわしたりすることや、悪人といえども弁護士がついて弁護できる機会を与えられるのと同じように、企業が弁明するチャンスを与えられることも必要なのだということを、息子に対して説明するのを聞き、見ている私たちも彼を憎めなくなっていきます。
そして、息子が父に鍛えられて(?)、自らも議論上手になっていくところが面白いです。カエルの子はカエル、みたいな感じで。
私の大好きなアーロン・エッカートがステキなのはもちろんですが、ニックがタバコのイメージを上げようと、ハリウッドで俳優たちにタバコを吸わせるために協力を依頼したLAのエージェント役のロブ・ロウが笑えました。
彼はアジア風なものに凝っているという設定で、夜中にニックのところに電話してきた時の出で立ちにはショーゲキ! あまりのことに思わずDVDを一時停止して大笑いしてしまいました!
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