17歳の肖像
優等生でまじめ一本だった高校生ジェニーが、ひょんなことから大人の男性ディヴィッドと知り合い、新しい世界を見せてもらって、生活を一変させていく、というストーリーです。
私も子供の頃は、知識欲旺盛のませガキだったので、あの頃こんな大人と出会ってたら、メロメロになっていただろうと思います。5歳以上年上の男性にしか惹かれなかったし。今じゃ自分が年食ってしまったので、そんなことは言ってられませんが。チェロもやってたし、読書も絵画もフランスも好きだったし、若き日の自分にちょっとだけ重ね合わせられました。
興味深かったのは、少女のジェニーが惹かれるのはともかく、いつもは口うるさくて強気のパパ(アルフレッド・モリーナ)までが、なぜかディヴィッドには弱いこと。あの穏やかな表情と語り口でお願いされたら、ノーとは言えないのでしょうか? それが、ゆくゆくは裏目にも出てしまうのですが。
それに、ディヴィッドだけでなく、友人のダニーとヘレンも、すぐにジェニーを仲間に入れてくれるところが不思議でした。特にヘレンは、自分よりも若く賢いジェニーを、同性として対抗意識も持たず、やっかみもせず、姉が妹に対するようにおしゃれを教えてくれたりして。
でも、だんだん表面的なものとは違う面が見えてきます。ただ、ジェニーは若さゆえに、結局はそれを見て見ぬふりするというか、「それも大人の世界」と思って受け入れたのか、とにかく仲間のままでいることを選びます。けれど、いくら賢くても、彼女は大人じゃないから、背伸びしすぎるとどこかひずみが生じるのも当然。彼女に試練が訪れます。やり直せるところも若さの特権ですけれどね。
原題のeducation(教育)は、ジェニーが学校で学ぶことでもあり、ディヴィッドと過ごして学んだことでもあり、そして何より、この一連の出来事全体を通して、ジェニーが人生において成長したという「学び」でもあるのでしょう。
私はディヴィッドを演じるピーター・サースガードが結構好きで、最初に注目したのは、「愛についてのキンゼイ・レポート」での、キンゼイのゲイの相手役。次に、順序は逆で見た「ニュースの天才」と、ジョディ・フォスター主演の「フライトプラン」で一気にファンへ。奥さんのマギー・ギレンホール(「クレイジー・ハート」)も好きなので、理想的なカップルです。
主演のキャリー・マリガンは、これでアカデミー賞ノミネーションを受け、スカヨハ、キーラ・ナイトレイに次ぐ若手注目女優だそうです。見たかったけど見そびれた「ウォール・ストリート」にも出てましたしね。でも、つい昨日、イギリスのバンド「マムフォード&サンズ」のヴォーカルと交際数か月で婚約とのニュースが。 ジェニー同様、若すぎ・早すぎの展開にならなければいいんですけれどね!
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