トゥルー・グリット
コーエン兄弟と西部劇って初めての組み合わせではないでしょうか? 少なくとも私の知る限りでは、見たことがありません。なので、どんな感じか想像がつきませんでしたが、結構正統派の西部劇でした。まあ、こちらも69年の「勇気ある追跡」が元になっているそうだから、当然かもしれませんが。
父を殺した男に正義の裁きを受けさせるため、少女が飲んだくれの保安官を雇って男を追跡します。途中、同じ男を探すテキサス・レンジャーに出会い、最終的には3人で追跡することになります。
保安官のジェフ・ブリッジスに、レンジャーのマット・デイモン、父を殺した男にジョシュ・ブローリンと、そうそうたる俳優が出ているにもかかわらず、この映画は、とにかく少女を中心に成り立っていました。保安官もレンジャーも最初は少女を追跡に参加させるつもりなどなかったのですが、彼女は賢く、交渉上手で、大の男2人が彼女に諭され動かされていく様がとてもよくて、彼女がすべてといっても過言ではありません。そして、ある意味、その3人の様子を描くロードムービーでもありました。
コーエン兄弟は、当然ながら「バートン・フィンク」で注目されたときに知り、その後「未来は今」「ファーゴ」「ビッグ・リボウスキ」と立て続けに見た映画がどれもよくて、期待が大きくなりすぎたのか、「ディボース・ショウ」あたりから以前ほどの好感触が持てなくなってしまい、「ノーカントリー」もオスカー取った割にっていう感じだったのですが、久々に味わいのある良作を見た思いがしました。あ、でも「バーン・アフター・リーディング」は単純に楽しめて悪くなかったかな。
「ビッグ・リボウスキ」で組んだジェフ・ブリッジスも、ずっといい役者でしたが、オスカーで箔がついて、円熟みを増した気がします。
« Just Go With It (ウソツキは結婚のはじまり) | トップページ | しあわせの雨傘 »
「映画」カテゴリの記事
- 男と女 人生最良の日々(2022.06.21)
- 愛は静けさの中に(2022.03.22)
- モーリタニアン 黒塗りの記録(2022.03.21)
- タミー・フェイの瞳(2022.03.06)
- 夜の大捜査線(2022.02.20)
コメント