2017年5月16日 (火)

チャーリー・モルデカイ

以前見た映画「チャーリー・モルデカイ」が軽妙で悪くなかったので、原作も読んでみることにしました。

もっと最近の本かと思っていたら、1972年に書かれた小説でした。当時の流行や社会情勢に言及したジョークも多く、そのせいか文章がすっと頭にはいってこなくて、主人公のキャラに合わせたふざけた会話調の文体も意外に苦戦し、読み進めるのに時間がかかりました。

そういう意味では、映画の方が現代風にアレンジされていて、わかりやすかったのだと思います。

登場人物も、本のチャーリーはでっぷりお腹の中年オヤジだけれど、ジョニデが演じると魅力的な中年貴族になっていたし、チャーリーと敵対するマートランドも、映画では、時に対立しても互いを認め合う仲だったので。

単にユアン・マクレガーが好きなので、彼の演じたマートランドが完全に嫌な奴という設定が、受け入れられなかっただけかもしれません。

4部作(4作目は著者亡き後に加筆して完成)らしいのですが、残りをすぐ読む気になれず、第1部のみでいったん終了しました。


チャーリー・モルデカイ1 英国紳士の名画大作戦」(キリル・ボンフィリオリ著・角川文庫)

2016年8月26日 (金)

首のたるみが気になるの

記事タイトルを見て「何だ?」と思われた方もいるかもしれませんが、いわゆる美容本ではありません。
実は私もその手の本かと思ってチェックした(なにしろアゴ周りが気になるお年頃なので・・・)のですが、今は亡き映画監督ノーラ・エフロンのエッセーです。

年を重ねて首のたるみというかシワが気になるという話が書かれているのですが、それ以外にも、実はJFK政権下のホワイトハウスでインターンをしていたとか、興味深い逸話もありました。

「恋人たちの予感」や「めぐり逢えたら」といったラブコメの脚本を書いた人なので、話が楽しいのは当然でしょうが、阿川佐和子さんの翻訳が、更にコミカルさを引き立てています。
ノーラ・エフロンの存命中に翻訳の話をもらったのに、放置しちゃってたとのことですが、亡くなっていなかったら私も読むのを後回しにしてしまった気がするし、このタイミングだからこそ手に取ったかなと思います。

ただし、最終章の「さようならを言う前に」は、残りの人生をどう生きるかという話で、今となってはさすがに物悲しすぎました。



首のたるみが気になるの」(ノーラ・エフロン著・集英社)

2016年7月 2日 (土)

パリ移民映画

先月、フランスの移民問題を考えるシンポジウムに足を運ぶ機会があり、その時に紹介されていたこちらの本を読みました。
映画化された原作小説ではなく評論本ですが、映画関連本として書きたいと思います。

読み始める前に、なぜ「フランス移民映画」ではないのかと疑問に思っていたところ、パリという都市論を絡めた移民映画についてだったのでした。

パリはペリフェリックという高速道路に囲まれていて、その周辺地域に移民が多く、そんな郊外で暴動が起きたのはニュースでも目にしますが、形を変えながらもペリフェリックの以前からずっとあった城壁(「レ・ミゼラブル」などでも描かれている)に端を発しているんですね。

学生時代や新卒の頃は山のように映画を見ましたが、1本1本をどれほど理解していたかというと、深く考えることはほとんどなく、うわべだけで見ていたと改めて感じました。

遠い夜明け」や「フィラデルフィア」のように明らかな社会問題ならともかく、フランス映画は移民問題が日常の中に描かれている気がするので、当時は「フランスっていろんな人種を受け入れ共存していてすごい」としか捉えてなくて、根っこにある差別には目を向けていませんでした。

この本で大きく取り上げていた4本の映画の中で、私が見たことのあったのは「サンドイッチの年」の1本のみ。この映画の解説を読んで、上述のような気づきがあり、機会があれば見直したいと思いました。

その他、簡単に紹介されたり名前が挙がったりした作品の中にも、積ん録になっているものがあるので、それらも早いうちに見ようと思います。


「パリ移民映画 都市空間を読む -1970年代から現在」(清岡智比古著・白水社)

2016年5月20日 (金)

ウッドストック行最終バス

ドラマ「主任警部モース」を見終えたので、コリン・デクスターの原作にも挑戦することにし、まずはこちらの処女作を読みました。

ある酒場の駐車場で、若い女の死体が発見されます。事件を担当することになったモースと、彼と初めて組むことになったルイスが調べを進めるうち、被害者はもう一人の女性と共に、ウッドストックに向かう途中でヒッチハイクしたことがわかり、その女性と二人を乗せた車を探し始めます。


ドラマの1話目は「ジェリコ街の女」(小説では5作目)だったので、こちらのエピソードの時にはモース&ルイスのコンビがすっかり定着した後でしたが、原作と順序を入れ替えたのには理由があるのでしょうか?

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2016年4月15日 (金)

P.S.アイラヴユー

今年初めに見た映画「あと1センチの恋」の原作も書いたセシリア・アハーンの、やはり映画化されたこちらの小説を読みました。

最愛の夫ジェリーを病気で亡くし、生きる気力もなく毎日家に引きこもっているホリー。しかし、夫が生前、自分のためにメッセージを残してくれたことがわかります。毎月一通ずつ開封するようになっているメッセージを読んでは、彼の指示通りにドレスを買い、カラオケに挑戦し、次のメッセージを楽しみに日々の生活を送るようになります。


映画の方はずいぶん前に見ていて、そういう場合は俳優のイメージが重なってしまうのですが、今回ばかりはヒラリー・スワンクとジェラルド・バトラーは浮かびませんでした。小説の中ではホリーもジェリーも、もっと線が細くて、はかなげな印象を持ちました。

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2016年4月 4日 (月)

暗夜を渉る

昨年末に見たテレビムービー「警察署長ジェッシィ・ストーン」の原作小説第1作を読みました。

LAの殺人課を辞め、マサチューセッツ州パラダイスの警察署長に雇われたジェッシィ・ストーン。二日酔いで面接を受けても、行政委員のヘイスティは居に介さない様子でしたが、その時はジェッシィも疑問に思いませんでした。
実際にパラダイスで仕事を始めた彼は、乱暴者のジョウ・ジョウを抑え込んで、周囲から評価されるようになります。しかし、それはヘイスティにとっては誤算でした。


映画ではトム・セレックが演じていたジェッシィ・ストーンですが、小説では35歳という設定で違和感がありました。小さな町とはいえ警察署長なわけだし。しかも映画では3人だった署員が小説では10人くらいいました。

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2016年3月12日 (土)

愛と宿命の泉

ずいぶん前に映画を見ましたが、今回、マルセル・パニョルの原作を読んでみました。

プロヴァンス地方の農村パスティドの人々は、町の人間や隣村の者を受け入れない閉鎖的な田舎の生活を送っています。村の有力者スーベラン家のパペは、甥のユゴランが提案したカーネーション栽培で一儲けできると考え、ピック・ブーフィグの地所に目を付けます。
敷地の買い取りには失敗したものの、その後ピック・ブーフィグが都合よく死んだため、パペとユゴランは屋敷の価値を下げて安く手に入れようと、知る人ぞ知る湧き水の泉を塞いでしまいます。


映画の記憶が残っているのは、ピック・ブーフィグの相続人であるフロレット家のジャンが来た辺りからで、パペとピック・ブーフィグが出てきたときには、何だったっけ?という感じでした。カーネーションと泉の話になって、ようやく思い出しました。

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2015年11月21日 (土)

パナマの仕立屋

ピアース・ブロスナンとジェフリー・ラッシュ共演で映画化された「テイラー・オブ・パナマ」の原作を読みました。

パナマで仕立屋を営むイギリス人のハリー・ペンデル。アメリカ人の妻と2人の子供と幸せな家庭を築き、仕事も順調だった彼の元へ、突然イギリスの諜報員アンディ・オスナードがやってきます。ハリーがパナマの要人ほとんどの服を仕立てており、妻のルイーザはパナマ運河に関わるデルガドのアシスタントをしていることから、オスナードはハリーを通じて情報を得ようとしたのでした。


以前、「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」(「裏切りのサーカス」の原作)を読んだときにも思いましたが、ジョン・ル・カレの文章は本当に堅くて難しいですね。
今回も、複雑なプロットと政治的かけひきに、なかなかついていけませんでした。

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2015年8月22日 (土)

ミスティック・リバー

今月は「戦後70年」特集中ですが、今日は、本日読み終わったこちらの原作本について。

1975年。父親同士が同じ会社で働いていたショーンとジミー、そしてジミーにくっついていたデイヴの3人は、土曜にちょくちょく遊んでいました。ある土曜日、3人が些細なことで路上でケンカしていた時に、警官のような男2人が現れ、仲裁した後にデイヴだけを連れ去ります。4日後デイヴは無事に家に戻りますが、何があったかは明らかでした。
2000年。大人になったショーンは殺人課の刑事になり、雑貨屋の店主となったジミーの娘ケイティが殺された事件の捜査を担当します。そして、死んだ晩にケイティが最後に行ったバーに、デイヴもいたことを知ります。


映画を見ていたのでストーリーはわかっていたのですが、微に入り細にわたる描写が生々しくて、映画に勝るダークな世界観が読んでいて結構辛かったです。

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2015年7月23日 (木)

メッセージ・イン・ア・ボトル

本カテゴリーの第1回目は、こちらのニコラス・スパークスの小説です。

ボストン・タイムズでコラムを書いているテレサは、休暇中に浜辺で手紙の入った瓶を拾います。手紙はギャレットという人から亡くなったキャサリンという妻か恋人に宛てたもので、彼の深い愛情がわかるその手紙にテレサは感動します。
友人で編集長のディアナに勧められて手紙をコラムに載せた後、更に2通の手紙を入手したテレサは、どうしてもギャレットへの興味を抑えられなくなり、手紙に書いてある情報からギャレットを探し当てて会いに行きます。


同名映画の方は公開直後に見ていて、そのメロドラマな感じに少々うんざりしたのを覚えています。でも小説はというと、「最後の初恋」の原作を読んだ時に受けたのと同じ印象で、より感情移入できました。

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