映画

2018年1月 4日 (木)

いまを生きる

年始に紹介するお薦めシネマ第2弾は、今は亡きロビン・ウィリアムズが教師を演じたこちらの作品です。

初めて見たのは公開当時で、私も20歳そこそこだったこともあり、多感な少年たちに共感しながら見ていました。
今回はやはり年を取ったせいか大人目線で、特にニールが厳格な父親に反抗できずにいる様子を見て、そんなに思い詰めなくても他に手立てはあるのにと思ってしまいました。

また、以前はニールとチャーリーに注目し、他の男の子たちのことはそれほど見ていなかったのですが、優秀な兄の陰で自分に自信のなかったトッドの成長ぶりや、初恋に胸を焦がすノックスの初々しさなど、「死せる詩人の会」のメンバー皆が青春のみずみずしさに溢れていて、とてもまぶしく感じました。

この映画で注目したロバート・ショーン・レナード(「Dr.House」)やイーサン・ホーク(「6才のボクが、大人になるまで。」)はもちろん、ジョシュ・チャールズ(「グッド・ワイフ」)なども若かったねーと改めて思いました。


Dead Poets Society」(1989年アメリカ)

2018年1月 3日 (水)

ユナイテッド93

昨年末に1年のまとめをしていたら、お薦めシネマをすっかり放置していたことに気づきました。機会を見つけてもっと実施しなければと思っていますが、まずは年始に例年通り、私の生涯トップ200の中から、まだ紹介していない上位作品を取り上げます。

1本目は、タイトルから分かる通り、9・11の同時テロで、唯一目標に到達しなかった飛行機に焦点を当てた映画です。

当然結末は分かっているし、もう何度も見ているので途中経過も知っているのに、やっぱり冒頭からドキドキしてしまいました。

理由の一つは、管制官ら周囲の人たちが本人役で出ているので、リアルな作りになっていること。当時はハイジャックも久しぶりだし、飛行機ごと突っ込むこと自体が想定外で、事態を把握できずに呆然としたり苛立ったりという姿を見て、自分もその場に身を置いている気がするからだと思います。

今は哀しくもテロがすっかり身近になってしまった感がありますが、あの時の衝撃は今も強く心に刻まれており、もう16年も経ってしまったなんて信じられません。
いつかテロが縁遠くなった時に、過去の出来事として穏やかな気持ちでこの映画を見られる日が来ますようにと願っています。


United 93」(2006年イギリス・アメリカ)

2017年12月22日 (金)

レヴェナント:蘇りし者

今日の映画は、レオ様が悲願のアカデミー賞を受賞した作品。でも私の狙いはトム・ハーディです。

グラスはてっきり先住民に狙われたのかと思ったら、巨大熊に襲われたんですね。あの状況なら生き延びられないと思われたのも仕方ないし、しかもフィッツジェラルドは最初から見捨てようとしたわけじゃないし、欲目で見ているせいか、彼を完全には責められないと思ってしまいました。

背骨を傷めて立ち上がれないので這ったまま追いかけ、開いた傷口を自ら焼いて止血と、とにかく執念の一言で、真のサバイバルだなと感じました。それを演じるレオ様も、男優賞に値すると思いました。

途中ずーっとハーディ派だったのですが、やっぱり最後は追う側レオ様の視点に私も変わっていました。
でも、ハーディもいつものスマートさはどこへやら、荒くれ男の粗野な振る舞いに、彼の演技力を改めて実感しました。

公開時に気になっていたものの、予告を見たらかなりサスペンスフルそうで手を出せずにいたのですが、それほどでもなくて十二分に楽しめました。


The Revenant」(2015年アメリカ)

2017年12月20日 (水)

マンチェスター・バイ・ザ・シー

今月前半はお気に入り俳優の出演作を特集していましたが、予定外に忙しくて2本で挫折、後半は出演俳優に拘らない「今年中に見たい映画」を見ていきます。とはいえ、こちらのケイシー・アフレックも嫌いじゃありませんが。

最初の方は、突然回想シーンに入るのにビックリしましたが、慣れたら気にならず、リーが孤独に生きている理由が次第に明らかになるのを興味を持って見ることができました。

仲の良かったパトリックの後見人になることに抵抗を感じる原因もわかってきますが、回想シーンのパトリックが幼かったのに、兄が亡くなった時にはすっかり成長していて、幸せに暮らしていた頃から月日が経ったんだと実感しました。

何だかんだ言っても叔父らしく振る舞うリーに好感が持てましたが、甥のパトリックが、女の子にモテモテなのに、リーと一緒の時は無口な叔父に合わせたように寡黙になるのが面白いというか、家族だなと思いました。

リーの元妻を演じるミシェル・ウィリアムズも印象的でした。


Manchester by the Sea」(2016年アメリカ)

2017年12月15日 (金)

オリエント急行殺人事件

アガサ・クリスティの原作はもちろん、1974年の映画が大好きで17回も見ています。
40年以上ぶりの再映画化(間にテレビ版はあり)に喜び、新バージョンを見に映画館まで行きました。

数日前にNHKで放送されていたケネス・ブラナーのインタビューを見たのですが、今回はポワロの人間性の焦点を当てたとのことで、冒頭でエルサレムの事件まで詳しく描いていたのも、ポワロの犯罪に対するスタンスを示すためだったのでしょうか。

ポワロを深く描いた分、オリエント急行の乗客一人ひとりについての説明が少なくなり、犯罪が起こった理由や犯人の心情に関する描写、ポワロが推理を導きだした経緯は不足していたかなと思います。

なので、ミステリー好きには物足りないかもしれませんが、そもそもミステリー好きなら「オリエント急行の殺人」は定番なので、私同様、自分の予備知識で補えるからいいのかもしれませんね。

逆に、最後の晩餐のような構図や上から見下ろすカメラワークなど、ブラナー監督のテイストも楽しめますし、なぜかアクションシーンがあるのもご愛嬌。

1974年版のように、こちらでも豪華キャストが揃っていますが、ミス・デべナム役のデイジー・リドリーがとても印象的でした。「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」では特別注目していなかったけれど、それは単に私がSW好きじゃないからなのかも。
また、ラチェットを演じるジョニデは、右眉や頬の傷のせいか、いかにもワルって感じの顔が、これまた良かったです。


Murder on the Orient Express」(2017年アメリカ)

2017年12月10日 (日)

冷たい雨に撃て、約束の銃弾を

ジョニー・アリディが亡くなりました。今月は「今年中に見たい映画」の特集中ではありますが、彼を追悼して主演作を見ました。

歌手が本業のアリディがその晩年に、なぜこの映画に出ることにしたのか不明ですが、香港映画だからなのか、作り込み過ぎなストーリーとベタな展開が目につき、B級感が拭えませんでした。

邦題から分かる通り冷たそうな雨のシーンが多いのと、コステロに同じ匂いを感じたらしい殺し屋3人組のリーダーが仁義を重んじるところがクールでカッコいいのですが、良かったのはそれぐらいでした。

今朝見たフランスのニュースでは、土曜に行われたシャンゼリゼでの葬列に集まった人の波が壮観で、参列者の中にはジャン・レノやマリオン・コティヤール&ギヨーム・カネ夫妻、ジャン・デュジャルダン、クロード・ルルーシュ監督らの姿もありました。
埋葬はアリディの愛したサン・バルテルミー島だそうです。ご冥福をお祈りします。


Vengence 復仇」(2009年香港・フランス)

2017年12月 5日 (火)

マジック・イン・ムーンライト

今日スポットを当てるお気に入り俳優はコリン・ファース。「英国王のスピーチ」を始め、過去に何度も言及しているので今更ですが、出演作も多いし、意外に見そびれている作品が多くて。

こちらはウディ・アレンらしいウィットに飛んだストーリーでしたが、現代劇とは思っていなかったものの、「ミッドナイト・イン・パリ」と同様の戦間期(Entre-deux-guerres)のフランスが舞台とは知りませんでした。

見そびれていた理由は、エマ・ストーンがあまり好きではなくて(いい女優だとは思いますが)、彼女とコリン様が恋仲になるシチュエーションが受け入れられなかったから。
でも実際には、彼女の方が先に好きになる設定だったので、「それじゃあ仕方ないわね」とbleah納得しました。

ラストはちょっと私好みとは言い難いエンディングでしたが、コリン様を見ているだけで満足でした。


Magic in Moonlight」(2014年アメリカ・イギリス)

2017年12月 4日 (月)

フランク

一年最後の月は、昨年同様締めくくりとして「今年中に見たい映画」をセレクトします。ただし少々趣向を変え、前半戦は好きな俳優の出演作で見逃している作品を、今回こそ見ようと思います。
1本目は、マイケル・ファスベンダーが異色のバンドマンに扮したこちらの映画です。

コメディといってもかなりシニカルなテイストでした。冒頭で主人公が一人で曲作りしている歌詞も、彼が飛び入り参加したバンドで歌われていた歌詞も笑えないし、被り物を絶対に脱がないフロントマンのフランクだけでなく、メンバーが皆、ひとクセもふたクセもある面々で・・・。

ステージ上だけならともかく、プライベートでもマスクを取らないフランクは、ファスベンダー狙いの私としては残念でした。
しかも、マスクで声がくぐもっているせいか、声まで彼のように聞こえなくて。なぜかドイツ語で話す時だけは、別録音だったのか、ファスベンダーの声だ!と思いました。

ドイツとアイルランドのハーフであるファスベンダーですが、最初に注目したのは、本ブログに記事も書いた「Shame」。その他、「イングロリアス・バスターズ」や「悪の法則」、最近では「スティーブ・ジョブズ」などでも印象的でした。

ちなみに、いつも年末にはまとめとして、その年に注目した俳優を挙げていますが、今年はそれとは別に「All-time Favorite Actors」として、大好きな俳優ランキングも公表する予定なのでお楽しみに!


Frank」(2014年イギリス・アイルランド)

2017年11月27日 (月)

二ツ星の料理人

フランス映画月間中ですが、またもやアメリカ映画を見ました。でも、フランスで修行したシェフが主人公なので、フランス語会話が思いのほか多く、楽しめました。

そのシェフがブラッドリー・クーパーなのですが、腕の立つ料理人というイメージがなくて、最初は若干抵抗がありました。最後の方では一応受け入れられましたけれどね。

私の大好きなダニエル・ブリュールが出ているので見ようと思ったのですが、他にもオマール・シーやマシュー・リス(「ブラザーズ&シスターズ」)、女性陣もエマ・トンプソンとシエナ・ミラーの他、アリシア・ヴィカンダーやリリー・ジェームズといった若手女優もいて、かなり豪華でした。

才能ある料理人は一種の芸術家であり、究極の料理を追及するあまり他人のことにはお構いなしというのはありそうですが、ただでさえ戦場のような厨房であのような態度をされた日には、下で働く人たちはたまったものじゃありませんよね。

三ツ星を獲ってめでたしという終わり方ではないと思ってはいましたが、ミシュランの批評家の訪問が、あんな形に決着するとは意外でした。

製作会社がワインスタイン・カンパニーで、最初と最後に出たロゴを見た時には、最近の騒動を思い起こして複雑な気分になりました。個人の行動と作品の出来には、全く関係はないんですけれどね・・・。


Burnt」(2015年アメリカ)

2017年11月25日 (土)

ショコラ ~君がいて、僕がいる~

オマール・シーが実在の黒人道化師を演じたということで、公開時から見たかった作品です。

勝手に、若手芸人2人がコンビを組んで成功を収める話かと思っていましたが、白人フティットは既にピンで人気を博した時代があったんですね。落ち目になった後に黒人と組むことで、再び活路を見出したのでした。

確かにフティットは、白人ということで得をしていた部分もあると思いますが、彼としても成功するためには必死だったわけで、ショコラを導き、支え、苦労したのだろうと思います。
地道に芸を磨くという努力も怠らなかったようですし。

ショコラは、急に有名になった人間によくあるように、人気や贅沢に溺れ、元からのギャンブル好き・女好きも災いしましたが、刑務所で出会ったハイチ人に感化されたというのは実話なのでしょうか? ここは何だか創作っぽい気もします。

俳優への道を進んだ彼のその後は描かれていませんでしたが、落ちぶれて亡くなるまでの間がどうだったのか気になりました。

劇中でフティット&ショコラを撮影していた活動写真が、ちゃんと残っていてエンディングで流れ、100年前の在りし日の本物の彼らを見ることができたのが感動でした。


Chocolat」(2015年フランス)

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