映画

2018年7月16日 (月)

マクファーランド 栄光への疾走

こちらもアメリカ公開時から見たかった映画で、「エージェント・ライアン」の記事中でもコメントしていました。

同じくコーチと選手との実話を描く「コーチ・カーター」や「マーシャルの奇跡」、もっと前には「タイタンズを忘れない」なんかも良かったし、やはりこの手の話は感動を呼ぶからでしょうか。

今回は、中心となる高校生たちがマイノリティだったので、更に心を揺さぶられました。
貧しい地域に住み、朝から晩まで家族の畑仕事を手伝い、昼間だけ仕事を抜けて学校に通うという、そんな将来に希望を持たない彼らが、スポーツを通じて自尊心を得、一家で初の大学進学を果たすほどになりました。

もちろん、彼らの才能を見抜いてクロスカントリーを始めさせたジムの、先見の明も素晴らしいですよね。アメフトのコーチを干されて、彼も再起に必死だったのかもしれませんが、彼自身の人生以上に生徒の人生を激変させた功績は計りしれません。

ラストでは、今はすっかり大人となった生徒たち(1987年に高校生だったということは、私とほぼ同世代)の近況も映し出され、学校の教師や警官になった人もいると知り、本当に感動しました。


McFarland, USA」(2015年アメリカ)

2018年7月15日 (日)

マグニフィセント・セブン

以前お薦めシネマとして紹介した「荒野の七人」のリメイクで、製作開始のニュース当初から気になっていたこちらの映画を見ました。

オリジナルの時も豪華メンバーでしたが、ここでもデンゼル・ワシントンを始め、今をときめくクリス・プラットや、イーサン・ホーク、イ・ビョンホン、敵役のピーター・サースガードと揃っていました。

昔の西部劇だったらあり得ない、黒人のリーダーにアジア人・メキシコ人・コマンチ族といったメンバー構成が、今っぽくていいのですが、人種の特性で区別がついた分、人間的なキャラの差は少なかったですね。

唯一グッドナイト・ロビショーが南北戦争のPTSDっぽかったぐらいで、1960年版で描かれたような、オライリーが子供たちと仲良くなってほだされたり、青年チコが村の娘と恋に落ち大人に成長していったり、といった要素はありませんでした。

とはいえ全体的にはこの現代版リメイクも楽しめましたし、エンドロールでオリジナルのあの曲が流れて感激しました。


The Magnificent Seven」(2016年アメリカ)

2018年7月14日 (土)

S.W.A.T.

同名TVシリーズのリメイクが放映されて見始めたのですが、ずいぶん前に見た映画のほうも見たくなって再視聴しました。

前回見た時は、「マイノリティ・リポート」で売れ始めたコリン・ファレルと、「パルプ・フィクション」以降活躍し続けるサミュエル・L・ジャクソン、そして「運命の女」で見ていたオリヴィエ・マルチネスしか知りませんでしたが、今ではよく知る俳優がたくさん出ていて驚きました。

特にジェレミー・レナーは、「ハート・ロッカー」でアカデミー賞ノミネートになった彼をコリン・ファレルが紹介していたので、この映画に出ていたと知ったのですが、悪役ながら(悪役だからこそ?)すごくカッコよくて、この彼を当時認知していなかった自分にショックを受けました。

他にも、「グッド・ワイフ」のジョシュ・チャールズ(「いまを生きる」の時も気づいてなかった)や、紅一点のミシェル・ロドリゲス、「ラスト・ホリデイ」の時に「NCIS:LA」以前を知らないと思っていたLL・クール・J(ここではジェームズ・トッド・スミス名)も同じSWATチームにいました!


S.W.A.T.」(2003年アメリカ)

2018年7月 8日 (日)

謎の天才画家 ヒエロニムス・ボス

私がこの画家の名前を知ったのは、マイクル・コナリーの小説でした。その話は後に回すとして、まずは今回見たこちらのドキュメンタリーについて。

現存する数少ない絵画の中でも「快楽の園」に焦点を当てていて、この絵の解釈を現代世界と関連づけたり、X線で現れた下絵との比較から画家の意図をくみ取ったりと、とても興味深かったです。

私はこの絵をちゃんと見たことがなかったのですが、500年前に描かれたにもかかわらず、1枚の絵の中にあるたくさんの人や物が、これほどまでに見る側の想像を掻き立て惹きつけることに感慨を覚えました。

冒頭でも書いたマイクル・コナリーの小説は、ご存じの方も多いでしょうが、画家の名前を取ったヒエロニムス・ボッシュ(名字は画家の場合はボスが多いようですが、ボッシュという表記もあり)という刑事が出てきます。

「夜より暗き闇」という小説の中では、捜査の過程で「快楽の園」に描かれるフクロウが重要なポイントとして出てくるので、この映画でもついついフクロウばかり注目してしまいました。


Bosch: The Garden of Dreams」(2016年スペイン・フランス)

FOUJITA

美術映画特集として、私にしては珍しく邦画を見ました。とはいえ、フランスで活躍した日本人画家なので、舞台も半分はフランスです。

日本で評価されていなかったフジタが渡仏後、芸術家の集うモンマルトルで過ごし名声を高めたことは知っていましたが、フランス人女性と何度も結婚していたのは初めて知りました。
そして、結局最後に添い遂げたのが日本人女性だったのは、長くフランスにいてもやはり心は日本人だから気持ちが落ち着いたのかなと考えたりもしました。

また、戦時中に帰国していた頃の活動についても今回知り、国威発揚のために絵を描かされていたと聞いて、複雑な心境でした。
知人の息子らが徴兵されていく中で、フジタは何を思いながら描いていたのだろうと思いました。

戦後フランスに戻った時のことは描かれず拍子抜けのラストでしたが、エンドクレジットでは、私が何年か前のフランス出張中(その時の記事はこちら)にランスへ旅した時に訪れたフジタの礼拝堂の映像があり、懐かしく感じました。


Foujita」(2015年日本・フランス)

2018年7月 7日 (土)

レンブラントの夜警

今月前半はすっかり美術映画特集になっていますが、こちらはレンブラントについての見逃しシネマ。監督がピーター・グリーナウェイなので、独特な映像美でした。

まず、レンブラントについて今回初めて知ったのは、あんな風にお金のために肖像画を書き続けていたのかってこと。
生前評価の少なかった画家の話はよく聞きますが、評価されて肖像画の依頼も多く、きちんと収入を得ていたんですね。裕福な妻の力も大きかったのでしょうが。

そんな中でも自分の作風を確立し、風刺を盛り込もうとした結果の「夜警」だったというのも、面白く思いました。
フランス滞在中にオランダを旅行した時、国立美術館にあるこの大きな絵画を見ましたが、そんな含みがあるとはついぞ知らずにいました。

レンブラントには、「シャーロック」や「ホビット」ですっかり有名になる前のマーティン・フリーマンが扮しています。


Nightwatching」(2007年カナダ・フランス・ドイツ・ポーランド・オランダ・イギリス)

グレート・ミュージアム

先の「ブリューゲルの動く絵」に出てきた「ゴルゴタの丘への行進」が飾られているウィーンの美術史美術館のドキュメンタリーを見ました。

以前見た「ナショナル・ギャラリー」では、展示品の絵画についての説明が主でしたが、こちらでは展示の仕方や美術館の経営そのものに焦点が当たっていて、興味深かったです。

特に、財政関係の会議では、美術館といえども商売なのだと思い知らされました。最近この手のドキュメンタリーが多いのも、広報の一環なのかなと思ったりもしました。

この美術館は、絵画や彫刻以外に船の模型や歴史的な衣装の展示品もあったり、建物自体にも天井や床などに装飾があったりして、全体的なパッケージとして楽しめる形になっていると思いました。


Das Grosse Museum」(2014年オーストリア)

2018年7月 2日 (月)

ブリューゲルの動く絵

こちらの映画はブリューゲルの伝記ではなく、彼の作品の一つ「ゴルゴタの丘への行進(十字架を担うキリスト)」を取り上げていました。

会話はあまりなく、彼の絵画に出てくる人たちの姿をほぼ視覚だけで判別するところが、まさに「動く絵」だなと思いました。

絵の各箇所を分解して個々に説明を加えている感じで、なぜ切り立った岩山の上に風車小屋があるのか?などといった疑問に答えを与えられたように思います。

実験的な作風の映画ではありましたが、興味深く見ることができました。

ブリューゲルに扮するのは、同じくオランダ出身のルトガー・ハウアー。銀行家の美術コレクターをマイケル・ヨーク、そしてブリューゲルの妻が老いた姿を聖母マリアと重ねた役をシャーロット・ランプリングが演じています。


The Mill & the Cross」(2011年ポーランド・スウェーデン)

2018年7月 1日 (日)

エゴン・シーレ 死と乙女

フランス月間中の「ロダン」「ヴァン・ゴッホ」に続き、芸術家の伝記映画を見ていこうと思います。

こちらは以前見た「クリムト」にも出てきたオーストリアの画家エゴン・シーレについてです。この映画でも、シーレの支援者としてクリムトが登場していました。

シーレは女性にモテモテで、ロダンやヴァン・ゴッホの時にも思いましたが、どうして女性は芸術家に魅かれるのでしょうね。

ただ、先の2作と異なり、こちらでは彼の女性遍歴ばかりが目につき、絵画そのものについての話は少な目でした。
もしかしたら、彼の特徴あるテーマや作風がどこから来たのか、それを紐解くという目的なのかもしれません。

ただ、相性のよかったヴァリとの関係を壊してまでも何故裕福な娘との結婚を選んだのか、しかも姉より芸術家気質に理解のなさそうな妹を選んだのはどうしてなのか、彼の決断はよく分かりませんでした。


Egon Schiele: Tod und Mädchen」(2016年オーストリア・ルクセンブルグ)

2018年6月30日 (土)

ヴァン・ゴッホ

こちらも芸術家の伝記映画で、昔カーク・ダグラスの「炎の人ゴッホ」やティム・ロス版「ゴッホ」も観ましたが、このフランス映画は見逃していました。

ゴーギャンとの共同生活が破綻し、耳を切ったアルルでの事件ののち、療養生活を送った後のゴッホの話です。

2時間40分と長丁場の映画なので、晩年のゴッホの様子を細かく見せており、同時に、医者で美術コレクターのガシェとその家族や、パリから時折訪れる弟テオとその家族のことも、じっくりと描かれていました。

ゴッホの死は銃による自殺となっていますが、ここでも自殺した理由とかはっきりとしたことはわからないままになっていました。

ゴッホ役のジャック・デュトロンという人は、「マルセイユの決着」でオルロフを演じていた人です。


Van Gogh」(1991フランス)

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー