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2018年8月

2018年8月30日 (木)

9-1-1: LA救命最前線

シーズン1の全10話を見ました。

「シカゴ」シリーズの二番煎じかと思って見始めましたが、一つのドラマでいくつかの部門を描いているので、どちらかというと「サードウォッチ」に近いかな?と思います。
緊急コールセンターのオペレーターにスポットを当てるのは珍しいですけれどね。

最初、ボビーのチームは救急隊なのかと思っていたら、どうやら救助隊(「シカゴ・ファイア」で言ったら、ケリー・セブライドのチーム)のようなのですが、救急っぽいこともするんですよね。このドラマでは救急隊は搬送するだけみたいで。そういう街もあるのかしら?

仕事以上にプライベートに重きが置かれているのも違っていて、コールセンターのアビーは認知症の母の介護、警官のアシーナは夫がゲイをカミングアウトして離婚の危機、ボビーは依存症による過去の過ちから立ち直れずにいる、といった具合です。

期待せずに見始めたので、意外に楽しめたかなと思いますが、理由の一つとして、ボビー役が、私がかつて大好きだったドラマ「シックス・フィート・アンダー」のネイトことピーター・クラウスだったことも大きかったと思います。


9-1-1」(2018年アメリカ)

2018年8月29日 (水)

帰ってきたヒトラー

独裁者ヒトラーが現代に甦って騒動を巻き起こすコメディですが、ブラックを通り越して空恐ろしくなりました。

まず前半がセミドキュメンタリー形式で、ヒトラーがドイツ各地を回って国民の意見を聞くのですが、昨今の移民問題の影響を受けて外国人排斥を唱える人が多く、ヒトラーがユダヤ人追放をした時代と重なりました。

それに、よく言われるようにヒトラーも民主主義の産物ではあったのですが、現代も、政治不信が蔓延する中で国民の声を反映してくれる政治家に期待し、ポピュリストがもてはやされる風潮なのも一緒です。

後半は一転、明らかなコメディで、「よかった、ドキュメンタリーじゃなかった」と安心できましたが、視聴率重視のテレビ局や、簡単にスターになったり転落したり、新たな活路を見出して這い上がったりというアップダウンもリアルでした。

ラストはどうなるのか予測もつきませんでしたが、まさかこういう終わり方になるとは思いませんでした・・・。


Er Ist Wieder Da」(2015年ドイツ)

2018年8月28日 (火)

少女ファニーと運命の旅

こちらも実話に基づくストーリーで、子供たちだけでゲシュタポの手から逃れ、フランス国外へ脱出を図ろうとします。

とにかくスリリングすぎました。まだ少女なのに皆のリーダーになってしまったファニーはもちろん、小さい子たちも過酷な運命に翻弄され、急速に子供らしさを失っていく様子が、見ていて本当に辛かったです。

自分が子供時代に同じ立場にいたら、果たして彼らのように勇気をもって逃避行できただろうかと考えてしまいました。

イタリアへ向かうはずがムッソリーニの逮捕で状況が一転、ドイツ兵の多いリヨンを抜けてスイスへ行くのですが、アルプスの山越えは「ベル&セバスチャン」を思い出しました。

マダム・フォーマンは実在ではなく、子供たちを助けた人達全体から着想を得た人物とのことですが、セシル・ド・フランスはとても存在感がありました。


Le Voyage de Fanny」(2016年フランス・ベルギー)

2018年8月26日 (日)

奇跡のチェックメイト

アメリカ公開時に気になって見た映画3本目です。

チェスで頭角を現す少女の実話と聞いていましたが、前半はその少女フィオナだけではなく、同じウガンダのスラム地区カトゥエでチェスをする子供たち皆を描いていました。

もちろんフィオナがダントツに才能があったわけですが、フィオナが来るまで1番だったベンジャミンや、数学の得意なアイヴァンなど、チーム戦でチャンピオンになるぐらい、チェスが得意な子供たちがたくさんいました。

生まれ持った能力も必要ですが、やはりそれを引き出すコーチの力が大きいですよね。スラム出身で自信がなく、自分が勝っても相手がわざと負けたのかもとか何かの罠かもと深読みする子供たちを導き、勇気を奮い立たせ、挫折した時には優しく励ますコーチがいたからこその栄光だと思います。

その素晴らしいコーチを演じるのは、「グローリー」「ペーパーボーイ」「大統領の執事の涙」のデビッド・オイェロウォ。フィオナの才能を後押しする母親には、「それでも夜は明ける」や新生「スター・ウォーズ」のルピタ・ニョンゴです。


Queen of Katwe」(2016年南アフリカ・アメリカ)

動画配信サービス

今年初めのあいさつ(→こちら)でも書いた通り、昨秋から本格的に動画配信サービスを利用しています。
今日は、私が使っているサービスについて簡単にご紹介します。

同種のサービスが他にもあるでしょうし、宣伝をするつもりはないので、名前は伏せておきたいと思いますが、ネトフリやHuluに代表される定額見放題方式ではなく、レンタル制(私は勝手にツタヤ方式と呼んでいる)サービスです。ツタヤの店舗に借りに行く代わりに、ネットで借りてオンラインで視聴するタイプです。

昨年携帯を機種変更した時に、「割引適用になるので契約して無料の1か月以内に解約してもらえばいい」と言われましたが、気に入ったので利用し続けています。
実は同じタイミングで定額方式も紹介されましたが、そちらはすぐに解約しました。

理由として、
・少なくとも私が使った定額制サービスに関していえば、視聴できる作品が定期的に入れ替えされて、多くのラインナップが常にあるわけではない。

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2018年8月25日 (土)

ギフテッド

こちらもアメリカ公開時に気になっていた映画で、「キャプテン・アメリカ」ことクリス・エヴァンスが、天才の姪の育て方に苦悩する話です。

姪を引き取った後で天才とわかり対応に苦慮する話かと思っていたら、ずっと前の赤ちゃんの時に引き取っていて、天才であることは分かっていたけど普通に育てたくて、現地の小学校に通わせたのに、英才教育を望むフランクの実母(姪から見たら祖母)と対立するというストーリーでした。

対立するだけならまだしも、教育方針を巡って裁判所での親権争いにまで発展したのには驚きました。
フランクは、才能を伸ばしてあげるのも大切だと分かっていたけれど、母が姉にした仕打ちを見ていたので、姪には同じ道を歩ませたくなかったんですよね。

人間関係が苦手だったという姉が自殺したし、姪には人間関係で苦労させたくないと思ったとしても理解できます。
でも、同じクラスのおとなしいジャスティンを守ったりして、十分優しい子に育ちました。

このジャスティンがトロいけど可愛いんですよね。前歯の抜けた姪のメアリーも愛らしかったし、片目のオス猫フレッドもキュートでした!


Gifted」(2017年アメリカ)

2018年8月24日 (金)

オール・セインツ

ナチス関連映画視聴率中ですが、アメリカ公開時から気になっていた映画を見ました。
実話に基づく話で、セールスマンから牧師になった主人公が、農業を通して赴任した教会の再生に尽力するストーリーです。

雨の降り方や農作物の出来は事実より多少大袈裟に描かれているのだろうとは思いますが、せっかく収穫の準備ができた作物がダメになってしまった時には、落胆を通り越して神の意思を疑いたくなる気持ちも分かりました。

新米牧師のマイケルがオール・セインツ教会に派遣されたのは、廃止が決まってほんの短い期間の奉仕なので、誰でも務まると思ってのことなのでしょうか。
教会運営の経験も浅く、信仰心だけで突っ走ろうとするマイケルの再生計画を、教団側が取り合わなかったのも仕方ないように見えました。

とはいえ、難民受け入れはキリスト教的精神にかなうのに、財政難だけを理由に反対するのもどうかとは思います。
今は世界のあちこちで難民が大きな問題となっていますが、受け入れ体制が整うことはもちろん、難民となって祖国を離れる必要のない平和な世の中になることを願います。


All Saints」(2017年アメリカ)

2018年8月22日 (水)

否定と肯定

ホロコーストを否定する人と肯定する人の裁判劇とは聞いていましたが、こんな最近の話とは思いませんでした。

例えば、アポロの月面着陸はニセ映像だったと、異説を唱える人たちはいても、それを裁判で証明させられることは別問題ですよね。
かねてから、有ると証明はできても、無いと証明するのは難しいと思っていましたが、あると証明するのも大変な時があるのだと実感しました。

アイヒマン・ショー」でも、同時期にガガーリンの宇宙遊泳やキューバ危機に関心が奪われるという事態がありましたが、マスコミはセンセーショナルな話題を好むし、昨今のインターネット時代に於いては尚更、自分の見たい意見だけを選びそれ以外はフェイクニュースと切り捨てることができるので、真実を正しく見極めるのは大変です。

この裁判も、元々はデボラが名誉棄損で訴えられただけなのに、ホロコーストの是非を問う場になってしまい、弁護士はデボラ本人そっちのけで方向性を決めるし、どうなることかと心配しましたが、結果的には専門家に任せたことが功を奏して、本当に良かったです。


Denial」(2016年イギリス・アメリカ)

2018年8月21日 (火)

白バラの祈り

こちらは葉書ではなくビラを撒いて逮捕された女子学生ゾフィー・ショルの話です。

捕まるとわかっていても、ビラ配りのシーンはハラハラしました。ここは創作が入っているのかもしれませんが、さっさと逃げればいいのに、追加のビラを撒きに戻ったりして。
別の機会に別の場所で残りのビラを配ることだってできたし、更には、ビラを撒き散らさなければ見とがめられなかったのにとか、いろいろ考えてしまいました。

本当のゾフィーもあんなに言い逃れが上手だったのかはわかりませんが、一度は釈放になりそうだった時に証拠が上がってしまい、しかも罪を認めたのは兄が自白したと知ってから。それでも他の仲間のことは決してしゃべりませんでしたね。

若い女性だから少し脅せば何とかなると思って穏やかに尋問したのかもしれませんが、実際にも拷問とかされなかったのでしょうか?
ゾフィーが一歩も引かない固い決意と強い信念の持ち主だというのはわかりましたし、自分の罪は認めたので、拷問は必要なかったのかもしれません。

ラストの裁判は民主主義を笠に着た茶番劇で、将来またこんな恐ろしい世の中にならないようにと切に願いました。


Sophie Scholl - Die Litzten Tage」(2006年ドイツ)

2018年8月20日 (月)

ヒトラーへの285枚の葉書

こちらも一般市民による抵抗ですが、息子の戦死がきっかけで体制に疑問を持った夫婦が、ヒトラー批判の葉書を書いて街中に置いて回るという話です。

第2次世界大戦中のドイツというと、どうしてもユダヤ人迫害に目が向いてしまいますが、欧州のあちこちで交戦していた兵士たちがいて、亡くなった彼らの遺族がいたことを、改めて考えさせられました。

夫婦ともに真面目で愛国心があり、お国のためと思って尽くしてきたのに、紙切れ一枚で息子の死を知らされ、それでも尚一層の貢献を迫られ、この戦争の大義を問題視したのもわかります。

ただ、それでもあんな行動に出られたのは、もちろん世間に訴えかけたい気持ちも強かったのでしょうが、もはや失うものがなかったからかなと思いました。

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2018年8月19日 (日)

ヒトラー暗殺、13分の誤算

ずっとナチスメンバーにまつわる映画を見てきたので、今度は一般市民レベルで抵抗した人たちの話を見ます。
まずは、ヒトラーの暗殺を試みた普通の家具職人エルザーのストーリーです。

暗殺に失敗して程なく捕えられるので、もっと拷問のシーンが多くて見るのが辛いかと思いましたが、半分くらいは回想シーンで、エルザーの行動の理由を紐解くための、恋愛を中心とした穏やかな生活を見せていました。

その生活が、共産党員だった友人の拘束や、ユダヤ人とつきあったせいでさらし者にされた知人女性などの出来事で、徐々に不穏な空気に包まれてきて、疑問を感じ始めるのはわかりますが、真面目でむしろおとなしいほうのエルザーが、ヒトラー暗殺という極端な行動に出たのは不思議です。

あまりにノンポリ風だし一人だけで計画・実行したとは思えず、黒幕を聞き出そうと拷問されはしますが、爆弾や時限装置の作り方を説明して単独犯を証明できたら、ボロボロの体に囚人服の姿から、食事や服装の待遇が良くなったのが皮肉に思えました。


Elser」(2015年ドイツ)

2018年8月18日 (土)

ヒトラー最後の代理人

アウシュヴィッツの所長だったルドルフ・ヘスの手記を映画化した作品です。
今月見てきたナチス高官についての映画と思っていた数本は、結局その周囲の人達を題材にしていましたが、今回初めて当事者に向き合った映画を見ることができました。

本人の弁なので、どこまで真実なのかは検証の余地があるでしょうが、最初はあれほど急進的ではなかった軍隊に単純な愛国心から入隊し、その後厳格なSSになった時には抜けられなくなってしまった人がいたのは事実なのでしょう。

将校であっても反抗すれば自らの命も危うくなり、蛮行を繰り返すうちに感覚も麻痺するだろうし、先日「アイヒマンの後継者」で見たミルグラム博士の実験結果が誤りでないとしたら、勤勉で忠実なドイツ人気質のヘスも、指示通り黙々と仕事をこなしただけということになるのかもしれません。

尋問というよりインタビューに近い検察官とヘスの対話は、時にヘスの独白に近い、淡々とした作りの映画でしたが、ナチス側の人間の話を聞けたのは興味深かったです。

もっとこういう映画があってもいいと思うけれど、犠牲者や遺族からしたら、言い訳めいた話は聞きたくないということかもしれないし、製作者サイドは加害者より被害者や英雄的行為を描く方が受けがいいということなのでしょう。


The Interrogation」(2016年イスラエル)

2018年8月17日 (金)

ハイドリヒを撃て!

ナチスドイツの重要拠点だったチェコで、レジスタンス制圧のために送り込まれた”野獣”ハイドリヒを暗殺しようとする話です。

ナチスの歴史に詳しくないので、「ワルキューレ」のように暗殺に失敗する話と思い込んでいたのですが、失敗ではないにしても見事成功と手放しで喜べない状況でしたね。

しかも、暗殺作戦はクライマックスで来るのかと思っていたら、映画の中ほどで行われてしまい、後半は実行犯たちが逃亡する様子を描いていました。

確かに、ハイドリヒを殺しても他の将校が来るだけだとか、ヒトラーが更に強硬策に出るだろうとか、この作戦に躊躇する人がいたのもわかりますが、現状打破のためには、一時的にても打撃を与えられれば弱体化につながるかもと希望を持って、行動を起こすしかなったのかなと思います。

原題は暗殺作戦のコードネーム「エンスラポイド(類人猿)」ですが、なぜこんな暗号名にしたのでしょうか。コードネームに意味はないのかもしれませんが・・・。

「フィフティ・シェイズ」シリーズのジェイミー・ドーナンが、お金持ちでセクシーなグレイのイメージを封印し好印象でしたが、私はやっぱり、個性派俳優キリアン・マーフィ(「白鯨との闘い」)が好きで、ラストのシーンではちょっぴり涙しました。


Anthropoid」(2016年チェコ・イギリス・フランス)

2018年8月12日 (日)

アイヒマンの後継者

こちらも邦題にアイヒマンの名前が入っていますが、本人とは直接関係のない話でした。

「アイヒマンテスト」という名前は聞いたことがありましたが、それがこのミルグラム博士が行った実験のことなんですね。

普段は常識的な判断をする人が、大衆操作というか、無言の圧力や体制側から指示を受けると抵抗できないものだなと感じました。

以前、スタンフォード大での看守と囚人の実験を描いた「エス」というドイツ映画を見たことがあるので、同じような話かと思ってこわごわ見始めたのですが、こちらはミルグラム博士の伝記でした。

アイヒマンテストだけでなく、その他の社会心理学的実験の様子も見せており、調査に有効な実験のアイディアを幾通りも思いつく博士に感心しました。


Experimenter」(2015年アメリカ)

2018年8月11日 (土)

アイヒマン・ショー

こちらは、先日見た「アイヒマンを追え!」でバウアー検事長の尽力により捕えられたアイヒマンの裁判を、テレビ放送する人たちの話です。

実際の裁判の映像をモノクロで見せていて、今回のフィクションの部分はカラーにして区別していましたが、全てを芝居で再現する方法もあったのに、あえてそれを選択しなかったのはなぜでしょうか。
元の映像を撮影した主人公たちに対する敬意か、それとも俳優の演技では不十分で、どうしても本人を見せたいという意図なのか。

いずれにしても裁判そのものより、放送する人たちや、ユダヤ人にとっての祖国とは?とか、イスラエルという国の存在意義について語られている気がしました。

ただ、アイヒマンに当時の記録映画を見せるシーンで流された本物の映像は、さすがにインパクトがあり、調整室の人々だけでなく私も目を覆いたくなりました。

ラストはけっこうあっさりで、商業映画じゃないから華々しいエンディングは期待していなかったけれど、それにしてもシンプルでした。


The Eichmann Show」(2015年イギリス)

2018年8月 5日 (日)

アイヒマンを追え!

8月はテレビでも終戦記念番組が多いですが、私も例にもれず第2次世界大戦特集で、特にこの夏はナチス関連作品を取り上げます。

最初は、なぜか2015年に皆が注目したアイヒマンの映画を3連続で見ますが、私はこの時まで彼のことを知りませんでした。
なので、アイヒマンがどういう人かわかる映画を期待したのですが、実際には、逃亡した彼を追い詰めたドイツ人検事長フリッツ・バウアーという人の話でした。

彼は他の逃亡戦犯も捜索していたので、たまたま見つかったのがアイヒマンだったといえなくもないのですが、その執念たるや凄まじかったですね。
正義のためには手段を選ばずって感じで、まだナチのシンパが多く残るドイツでは捕らえられないと、イスラエルのモサドに協力を仰ぎ、結果的に裁判もイスラエルですることになってしまいましたが、発見の功績は大きいです。

こういう映画で不謹慎な発言なのですが、バウアーの補佐をするアンガーマン検事が可愛くて注目していたら、下着姿になったとたん予想外のぶよぶよな体で幻滅・・・。
でも、この人物は何だか創作っぽくて、実在の人なのかは不明でした。


Der Staat Gegen Fritz Bauer」(2015年ドイツ)

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