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2015年6月20日 (土)

潜水服は蝶の夢を見る

今日のお薦めフレンチシネマは、大好きなマチュー・アマルリック(「さすらいの女神たち」)主演のこちらの作品を。

雑誌「ELLE」の編集長だったジャン=ドミニク・ボビー(ジャン・ドー)は、突然意識を失って病院に運ばれます。目覚めた彼は、意識はしっかりしているものの、全身がマヒして話すことも動くこともできない、ロックトイン・シンドロームと診断されます。
外界になんとか意思を伝えるため、唯一動かせる左目の瞬きで、単語のつづりをアルファベットで示し、文章を作ることに成功したジャン・ドーは、本の出版を決意します。


実話を基にした映画で、初めて見た当時、その少し前に見たハビエル・バルデム主演の「海を飛ぶ夢」の二番煎じな気がしながら見始めた覚えがあります。
実際に見てみると、向こうが一貫して死を望むのに対し、こちらは生や希望を感じさせる、全く異なる話でした。


それにしても、気の遠くなるような作業ですよね。お互いにアルファベットの順番を覚えたり、書き留める方が単語を推測したり(私も見ながら推測してました)して、多少のスピードアップは可能だとしても、本を書いて、校正して…。20万回も瞬きしたのだとか。
ジャン・ドーが物を書くことを生業とする人だったので、文章を作ることは得意だったのかもしれませんが、華々しい過去があった故に、余計に現状の不甲斐なさが身に染みたでしょう。

ジャン=ジャック・ベネックス監督による1997年のドキュメンタリーも併せて見たのですが、ジャン・ドー本人の姿の他、彼が好きだったという灯台や、病院の創設者の胸像まで、同じように描かれていることがわかりました。

映画を見るまでは、この奇抜なタイトルは何だろうと思うでしょうが、原題の「潜水服と蝶」から、自在に動けない潜水服と、自由に羽ばたける蝶の対比を、更に推し進めた秀逸な邦題だと思います。

ジャン・ドーの言葉を書き留めるクロードにアンヌ・コンシニ(「クリスマス・ストーリー」などでもアマルリックと共演)。妻セリーヌにはエマニュエル・セニエ(「エッセンシャル・キリング」)。言語療法士アンリエット役はマリ=ジョゼ・クローズ(「海の上のバルコニー」)。ジャン・ドーの昔の恋人ジョゼフィーヌにマリナ・ハンズ(「隠された日記」)。
そして、ジャン・ドーの父親をマックス・フォン・シドー(「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」)が演じています。

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