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2012年6月 5日 (火)

ゲンスブールと女たち

清貧な男たちの話(「神々と男たち」)の次は、奔放な女たちの話です。といっても、主役は男(ゲンズブール)ですが。

ロシア系ユダヤ人のリュシアンは、バーのピアノマンの父にピアノを強制されますが、絵を描くことを選び、美術学校へ進学します。しかし、バイトでバーのピアノを弾いたりもしています。しかし画家として挫折、キャバレーで自ら作曲した曲を演奏して好評を博し、音楽の仕事が中心になります。
リュシアンは子供の頃から自分の容姿にコンプレックスがあり、画家や音楽家の才能があったとしても、女性にはモテないと思っていました。しかし、ませた少年だった彼は、次々と女性を虜にしていきます。


セルジュ・ゲンズブールについて、簡単な経歴は知っていましたが、最初は画家を目指していたとか、本名はリュシアンだったとか、今回新しく知ったこともたくさんありました。

まず、音楽家としての面ですが、お父さんにちょっと反抗心もあって、子供の頃は絵描きを目指したんだなと思いました。でも、ピアニストの父親と歌手の母親の間に生まれた彼は、音楽の方に才能があったのは当然だったのかもしれません。
それに、この逸話が本当かどうかはわかりませんが、ボランティア(?)で孤児院の子たちに音楽を教えた時に、彼は音楽の真の楽しさを見出したように見えました。


そんなゲンズブールにとって音楽の道が大きくなってきた時、キャバレーで演奏する彼を褒めるのが、作家のボリス・ヴィアン! 彼がジャズ演奏家でもあったことは知っていましたが、こんなところで彼と出会っていたんですね。
そして、こちらも本当かどうか、ボリスに連れられて泊まった家で出会ったフレール・ジャックに名前が良くないと言われ、セルジュに変えることに決めました。

次に女たらし(?)の面ですが、女性の応対がうまいのは、2人の姉妹がいたからかな?とも思います。子供時代に、姉たちに自分の書いた絵を説明して夢中にさせるところなんか、その片鱗を感じさせました。
でも、確かに見た目は二枚目とは言い難いゲンズブールですが、大人の男の魅力があり、女性たちが彼に参ってしまったのもよくわかります。彼のような男を束縛しようとしても無理なのに、彼に夢中になる女たちは皆束縛しようとするので、余計彼は逃げてしまっていたのも理解できました。

そんな彼が真剣な関係になったのが、ブリジット・バルドーとジェーン・バーキンですが、肉感的なフランス女性バルドーと、線の細いイギリス女性バーキンはとても対照的で、どうしてこの2人の両方に彼が魅かれたのかが不思議です。
ちなみに、バーキンとの間に生まれたシャルロットの役の子が、本人の面影のある子でピッタリ! すごくかわいかったです。

監督のジョアン・スファールという人は漫画家だそうで、劇中に出てくるゲンズブールの分身なんかはちょっと漫画チックだと思っていたのですが、彼のそういう背景から出た発想なのかな? でも、彼は本当にゲンズブールのファンらしくて、原題の副題でもある「英雄的人生(Vie Héroïque)」の通り、彼にとってのヒーローなのだろうということがとてもよく感じられる映画でした。

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