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2011年10月23日 (日)

冷血

フィリップ・シーモア・ホフマンがアカデミー賞主演男優賞を受賞した「カポーティ」で、トルーマン・カポーティが実在の殺人犯を取材し書いたという小説の話がとても気になったのですが、これはその映画化です。

刑務所から出所したペリーと友達のディックは、カンザス州で、ディックが囚人仲間から聞いた金持ちの農家の金庫を襲うことにします。
翌朝、家族4人の惨殺死体を発見した警察は、お金がほとんど盗まれていないことから、強盗ではなく知人の線から捜査を進めます。しかし、何の進展もないため、情報に懸賞金がかけられます。そこで、ディックの囚人仲間からの情報を得て、犯人が浮上します。
一方、金庫を襲うことに失敗したペリーとディックは、一旦はメキシコに逃亡しますが、その後カンザスに戻ってきます。ただ、ディックの実家に戻ると踏んでいた警察は結局取り逃がしてしまい、2人はペリーが荷物を預けたラスベガスへ向かいます。

私が生まれるより前の映画なので、古臭くてつまらないかもしれない覚悟をして見始めました。しかも、当時は珍しかった(だからカポーティも注目した)凶悪犯罪も、テレビドラマで見慣れていますし。でも、まったく飽きることなく最後まで見ることができました。

理由の一つに、映画の構成が挙げられます。ペリーたちが農家を襲う直前まで見せて、翌朝の発見まで実際に何が起こったかについては、彼らがラスベガスで捕まるまで明らかになりません。だから、捕まって終わりではなく、逮捕後がとても興味深く感じました。
そこに至るまでも、ペリーが電話をかけていると、襲われる家族が電話をかけているシーンが、ペリーが川に何かを投げると、次に警察が川の底をさらっているシーンが、というように、別々の場所のシーンのつなげ方が面白いと思いました。こういうのは今じゃしないと思うけれど。

そして、先も述べた、当時は珍しかった凶悪犯罪を、なぜこの2人の青年が起こしたかについての理解を深めるための出来事が、関心を引きました。
ペリーは歌手を夢見てギター片手に放浪し、ディックは人当たりよさそうに笑顔を振りまき、おおよそ犯罪者という感じがしません。憎悪犯罪ならともかく、強盗に入ってこんな残虐な殺人を犯すことに、当時は理解できなかったのでしょう。
メキシコで呑気に過ごす時も、カンザスシティーに戻った時も、凶悪犯罪をしたという自覚があったら取らないような行動でした。もしかしたら容疑者にならないうちにメキシコに行ったので、もう大丈夫と安心したのかもしれませんが。

逮捕されてからの出来事も語られるわけですが、特にペリーについて、過去の経験とのつながりから、少しだけこの犯行に対する原因が見えてきます。でも結局は本人自身も、どうしてこんなことになったのか、わからないまま起きてしまったことのようでした。
凄惨な事件に免疫ができてしまっている私たち(私だけ?)ですが、こうやって原点に立ちかえって、犯罪を起こすきっかけとなるものについて、想いを巡らすことにも意義を感じました。

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