ブッシュ
「実在の人物特集」第二弾は、嫌われ者大統領としては先のニクソンと1,2を争う、ジョージ・W・ブッシュです。
ニクソンと違い、リアルタイムで知っている人物なのですが、若い頃の様子などは当然知るわけもなく、新鮮に見ることができました。
在任中に製作された映画ということで話題になっていましたが、事実をコミカルに描いているだけで、イラク戦争や大量破壊兵器問題も含め、批判的な感じではありませんでした。私はむしろ、父親の名声や弟との比較で苦労した、同情的な視点さえ見えたように思いました。
これを見ると、スポーツ好きだし、野球をやっていたようなので、大統領のイスなんて追わず、夢はコミッショナーどまりにしておけばよかったのに、って思ってしまいます。でも、父親似の弟、フロリダ州知事になったジェブの方が父のお気に入りなので、自分も政治家の道を目指して、父親に認めてもらいたかったのかもしれません。
それに、パパ・ブッシュが湾岸戦争でフセインに対し最後の追い込みをしなかったのが、再選できなかった理由だと思っていて、それで自分の時には強硬してしまったんですね。その結果、大統領としては生き残れたかもしれませんが、最低大統領とのレッテルを貼られることにもなってしまいました。
それにしても、Wは本当にパパ・ブッシュを「パピィ」と呼んでいたのでしょうか。これには大笑いしました。
大統領を演じるのは、以前は私の中でダイアン・レインの夫としての位置づけだったジョシュ・ブローリン。「ノーカントリー」以来、大活躍が続いています。
でも、イエール大の社交クラブの場面に、40歳の彼を使うのは無理があるでしょう。いくら若く見せるように細工してあっても、社交クラブの先輩たち(ジェシー・ブラッドフォードやウェス・チャサム)のが数段若く見えて、非常に違和感がありました。ここだけ、若い役者にすればよかったのに。
あと、ライス国務長官役のタンディ・ニュートン(「ER」でも言及)は、本人に似せるあまり彼女の面影なし。そこまでしなくてもよかったのでは、と思います。
監督の オリヴァー・ストーンは、「プラトーン」「ウォール街」「JFK」など、硬派な映画を作っていて大好きな監督だったのですが、やはり最近はどうも気に入った作品がありません。「サルバドル/遥かなる日々」という映画は、若い頃見て、すごくよかったものの、あまりのリアルさに二度と見れないと思ったものですが、今なら見られるかもしれません。機会があったら、もう一度見てみたいです。
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