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2011年8月27日 (土)

フロスト×ニクソン

勝手に「実在の人物特集」と銘打ち、何本か見ようと思います。第一弾は、ディヴィッド・フロストとリチャード・ニクソンです。

ニクソンは当然知っていましたが、在任中は子供だったので、ウォーターゲイト事件も「大統領の陰謀」という映画を見て知りました。フロストに至っては、この映画ができるまで存在も知りませんでした。でも、このニクソン・インタビューで評価を受けた有名人で、サーの称号までもらっている人なんですね。

映画は、ニクソンが辞任に追い込まれたところから始まり、前半がインタビューに至るまで、後半がインタビューそのものです。
フロストはこのインタビュー前までは、ただのトークショー・ホストという位置づけで、周りの人は、狡猾な政治家ニクソン相手に、本音を引き出せるジャーナリストとは思われていませんでした。皆の興味があるのはウォーターゲイト事件だけで、認めも謝りもせず辞任してしまったニクソンからその話を引き出せるかが問題なわけですが、フロストはその役回りには不十分と解釈され、せっかくのインタビューを放映する局が見つからず苦労します。

ニクソンも、彼相手なら自分が優位に立てるとインタビューを受けることにしました。ここで印象を巻き返し、政治家へ戻る道筋ができるかもと踏んだからです。もちろん、インタビューの対価の提示額が一番高かったからというのもありますが。そして、全4回のインタビューのうち、ウォーターゲイト事件に触れていいのは最後の回のみ、後はそれ以外の大統領としての功績について語るという条件付きでもありました。


私は、フロストが凄腕のジャーナリストだとばかり思っていたので、全く違うタイプの、楽天的で、しかもイギリス人だし、こんな人がニクソンのインタビュー?と驚きました。最初の顔合わせの時から、本当にニクソンに押されっぱなし。きっと、ニクソンをインタビューに引っ張り出せば視聴率を取れることは間違いないし、やってみよう、と気楽に単純に考えて始めただけなんですね。


飛行機の中で出会う女性キャロラインを、ニクソン邸での顔合わせにいきなり連れてっちゃったのも、私は女性を連れていくことで、彼とTVプロデューサーの男二人より、ニクソンの態度が打ちとけやすくなるとか計算してのことかなとか考えたりしたのですが、全然そんなことはなく、単に気に入った女性を誘っただけみたいだしbearing

そんなフロストが、少し真剣にとらえ始めたきっかけが、インタビューの準備で調査スタッフとして参加したアメリカ人作家ジェームズの意見。「ニクソンに事件を認めさせ、謝らせたい。自分たちが選んだ大統領が、こんなことになりトラウマになっている」と。
これには私もハッとさせられました。日本は、自分たちで選んだ大統領が国を治めているわけではないので、どこか他人事というところがあります。今ちょうど始まった民主党の代表選でも、知名度とか人気とかだけは国民目線で推し量っている感はありますが、当選後の支持率を気にしてのことで、後は党内の勢力図で決まってしまいますからね。アメリカの場合は、大統領選出に国民の責任があるってことなんだなぁと実感しました。

でも、このジェームズの気持ちを聞いた後も、まだフロストはどこかでナメてかかってて、実際にインタビュー初日が始まると、ニクソンのペースで終始し、愕然とします。それが真剣勝負に変わったのが、夜中にニクソンから来た電話。これはフィクションだそうですが、それで一念発起し、記憶に残るインタビューに成功しました。

政治家もTVホストも、言葉で見ている者を惑わし印象を操作するという意味では、同種の人間のような気がします。その二人が、互いの威信をかけて、駆け引きし、有利に運ぼうとする様子がとても面白く、最後まで飽きさせませんでした。
そして、フロストとニクソンもそうですが、その側近たちの姿もとても興味深く、物語に花を添えていたと思います。基は舞台劇だそうですが、舞台ではあまり焦点があてられていなかった側近をもう少し描こうという、監督の判断だったようです。

その監督は、名匠ロン・ハワード。今では大作を何本も撮っていて、アカデミー賞受賞歴もある彼ですが、私は最初に「アメリカン・グラフィティ」「ラスト・シューティスト」などの俳優として見て、あの頃はすごく二枚目で、ファンだったのでした。今じゃ、すっかり頭がお寒い感じになってしまいましたがcoldsweats01
監督としても、初期の「スプラッシュ」や「コクーン」、「ウィロー」などが大好きでしたが、「アポロ13」以降すっかり大作監督になってしまい、昔ほどのファンではなくなってしまいました。でも、今回は低予算の小ぶりの映画で、なかなかよかったです。

側近たちのうち、私が注目したのは、ジェームズ役のサム・ロックウェル。彼は前から好きでしたが、「ジェシー・ジェームズの暗殺」「みんな元気」に続き、私の中では今年一番注目の俳優になりつつあります。

もう一人、ニクソンの側近ジャック役に、「クローザー」でも言及したケビン・ベーコン。ニクソンを尊敬し忠誠を誓う、強力なサポーター役で印象的でした。

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コメント

はじめまして。
たった今、フロスト×ニクソンを見終わったところです。感動しました。
また、良い意味でも悪い意味でもテレビ映像の力というものを再認識しました。「ニクソンに事件を認めさせ、謝らせたい。自分たちが選んだ大統領が、こんなことになりトラウマになっている」、確かにこのセリフは、選挙制度の異なるアメリカ人と日本人では、重みが異なるのかもしれませんね。

コメントありがとうございます! このブログを始めてちょうど1年ですが、初めてのコメントでうれしかったですhappy01
今年はアメリカの大統領選の年。共和党候補の行方も気になります。

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