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2011年7月30日 (土)

コレラの時代の愛

一人の人を何十年も思い続ける話と聞くと純愛ではないかと思いますが、「君に読む物語」的な話を期待してはダメです。私は純愛とは全くかけ離れていると思いました。というのも、純愛ってイコール一途だと思うのですが、彼女だけを思い続けていたわけではなく、50年以上もの間に他に惹かれた女もいて、ただ何となく彼女はいつも心に引っかかっている存在だっただけのように思います。

確かに、最初の頃はさすがに本当に一途な純愛で、他の人に体を許さず、彼女から拒絶されても思い続けていました。それは、最初の頃に彼女が一時、彼を好きなそぶりを見せ、結婚の約束までしたから、「またチャンスはあるかも」と彼に期待を抱かせたせいもあるかと思います。そのかすかな希望にすがって彼女を思い続ける主人公の執念は、本当に気味悪かったです。

でも、彼の出生について語られるうち、私生児じゃないまでも、浮気な父親の不在と母子家庭での生活などが彼の精神に影響を与えたのは容易に想像できたし、父親譲りの狂気に近い女性遍歴も納得はできました。気持ち悪いのは否定できないですけれどね。

タイトルになぜあえて「コレラの時代」かというのは、ラストで判明します。主人公が好きになる女性が結婚する相手が、コレラの撲滅に力を尽くした医師というのもありますが、本当の意味は、最後で分かります。

私は、主人公が心惹かれる女性を演じたジョヴァンナ・メッツォジョルノという女優よりも、彼女の奔放な従姉を演じたカタリナ・サンディノ・モレノ(「そして、ひと粒のひかり」)の方がずっと美しいと思ってしまいました。ジョヴァンナは、ちょっとジョディ・フォスター似で、魅力的ではありましたが、美人という気がしませんでした。

また、ハビエル・バルデムは本当にカメレオン俳優だと思いました。この映画の気味悪さは、「ノーカントリー」を彷彿とさせましたが、彼は先日の「食べて、祈って、恋をして」や「それでも恋するバルセロナ」のような魅力的なラテン男にもなれます。

私が彼を最初に見たのは「海を飛ぶ夢」という映画で、若いのに、寝たきりの老人役でした(若い頃のシーンもあるのですが)。その後、順序は逆ですが「夜になるまえに」を見て、ゲイの作家役の好演で一気に注目しました。現在公開中の「ビューティフル」も、去年アカデミー賞にノミネートされていたし、見に行こうか悩み中なのですが、まだ決めかねています。

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