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2011年6月 5日 (日)

ジェシー・ジェームズの暗殺

原題は「臆病者ロバート・フォードによるジェシー・ジェームズの暗殺」。歴史に詳しい人ならもともと知っているのでしょうが、このタイトルから誰が殺すのか皆が冒頭から知ってしまっているわけです。つまり、誰がではなく、どうしてかにスポットが当てられ、ジェシーに憧れて仲間に入りたがったボブが、ジェシーを暗殺するに至った経緯が語られます。

ジェシーはもともと英雄として語られているので、この映画のように冷酷かつ気難しい描かれ方は、ある意味新鮮であり衝撃的でもありました。私は、同じくジェシー・ジェームズを描いた「ロング・ライダーズ」という映画が好きで、その中ではジェシーたちが強盗を始めた頃の活躍の時代に焦点が当てられ、まさにヒーローという感じでした。最後の列車強盗で始まる彼のその後を描いた本作で私が見出したのは、正反対のジェシーの姿でした。

彼に直接会っていない人たちは、噂だけで彼を英雄視し、ボブもその一人だったわけですが、現実の彼を見て、ちょっと違うなと感じたのかもしれません。でも、心の底では、ボブは彼を尊敬し続けていたと思うし、そうであってほしいとも思います。
ジェシー自身も、晩年に思うところあってか、「ロング…」の若いころに比べ、陰鬱かつ繊細でもありました。

演じるブラピの存在感は目を見張りました。常にボソボソと静かに語る様子に、誰一人として信用していない、ジェシーのクールな性格が現れていて、とてもよかったです。

私は、先日のレオ同様(「ブラッド・ダイヤモンド」参照)、アイドル化した二枚目俳優に拒否反応があるのですが、ブラピのことも、初めて見た「リバーランズ・スルー・イット」で感銘を受けたものの、その後「レジェンド・オブ・フォール」や「ジョー・ブラックをよろしく」などで、ちょっと幻滅してしまっていたので、近年いい俳優になってくれたのをとてもうれしく思います。

直近の「バーン・アフター・リーディング」や「ベンジャミン・バトン」と本作の3作品をとっても、どれ一つとして同じキャラ・同じ演技ではなく、スターとしての宿命から、いずれも「ブラピが演っている」という意識は拭えないものの、別の顔を見せてもらったという印象は残ります。

他にコメントしたい役者として、お兄ちゃん(ベン)よりも演技派の道を進んでいて頼もしいケイシー・アフレックはもちろん、ボブの兄チャーリーを演じたサム・ロックウェルも、「コンフェッション」や、私の大好きな「銀河ヒッチハイク・ガイド」と全く違う印象でよかったです。
ジェシーの兄役のサム・シェパードは、私が本当に好きな俳優の一人で、出番は前半だけながら、彼の姿を見ることができただけで感無量でした。

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