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2011年3月 2日 (水)

英国王のスピーチ

最初にお伝えしますが、コリン・ファースの大ファンの私は、公平に判断しているとは言えません。でも、ひいき目に見なくても、文句なしにこの映画は、傑作だったと思います。アカデミー賞を受賞したことが、それを裏付けています。

主人公バーティ(ジョージ6世の愛称)は、子供のころから吃音に悩まされ、公式行事でのスピーチはほとんどできないありさまでしたが、オーストラリア人の言語療法士に出会い、障害を克服するという実話に基づいたストーリーです。

今のエリザベス女王の父、ジョージ6世がそんな苦難を乗り越えたということをこの映画で初めて知りました。
彼が最初の頃、あせったり緊張したりして余計にどもりながらも必死でしゃべろうとする様子は、とても愛らしく(ファンの欲目?)、がんばれーと応援したくなりました。そして後半、戦争勃発という大事な局面で、重大なスピーチをするときには、うまくいくという予測はついていても、成功しますようにとつい祈っていました。

それに、「王冠を賭けた恋」で有名なエドワード8世のことは知っていましたが、その弟ということもつながっていませんでした。飛行機から降りてきたバーティの兄がガイ・ピアースだったときには、私の中で王子というイメージのまったくない彼(「LAコンフィデンシャル」や「メメント」で知られ、好きな俳優ではあるのですが)の登場に驚いてしまいましたが、後で少し納得しました。

世紀の恋は美談として語られてきた印象があるのですが、見方を変えると、こうも違った話になるのですね。私は、王位を継がずに恋を選んだと思っていたので、王位についてからの軽薄で無責任な様子は、さすがにどうかと思いました。彼がバーティに王の職務について話すとき、Kinging(キングしてるってこと?)という表現を使っていたのは、彼のふざけた態度を見事に表していたと思います。

ジェフリー・ラッシュ演じる療法士も、とても興味深く感じました。どちらかというと精神科医に通じる治療法で、吃音の矯正そのもの以外に、その原因となったと思われる少年時代の話を掘り起こしたりして、バーティを精神的に強くしていくそのやり方は、当時本当に革新的だったと思います。そして、それに出会えたバーティは本当に幸せだったし、バーティが感動的なスピーチをすることで、イギリスが戦争を強く乗り越えられたのなら、イギリス国民にとっても幸せだったと言えるかもしれません。


ここで、コリン・ファースという人について語らせてもらいます。

アナザー・カントリー」で、主人公のルームメイトで共産主義に傾倒する印象的な役柄を見て惹かれたのが最初ですが、その後、マイナーな作品「恋の掟」(何度も映画化されているド・ラクロの「危険な関係」)のヴァルモンを観てすっかりファンになりました。

そして、極めつけはもちろん、BBCの「高慢と偏見」です。NHKで放送されたときに見て、原作も大好きな私が、「コリン・ファースはミスター・ダーシーそのものだ!」といたく感激し(それもそのはず、その後購入したDVDのメイキングで知りましたが、製作陣は原作を損なわないストーリーやキャストにとても気を配っていたらしい)、私の中で不動の地位を獲得しました。

けれど、アカデミー賞大作の「イングリッシュ・ペイシェント」と「恋に落ちたシェイクスピア」では、どちらも主人公に妻とか婚約者を奪われる役だったので、とても辛かったですsweat02 そしたら、ご存じ「ブリジット・ジョーンズの日記」のマーク・ダーシーですっかり一般的に認知され、本当にうれしく思いました。「高慢と偏見」がなかったら、ヒュー・グラントを振ってコリン・ファースを選ぶなんて設定はありえなかったのですから。

「アーネスト式プロポーズ」や「秘密のかけら」など、彼が出演してなかったら何てことなかった作品も私の中ではまあまあの評価になってしまったし、「ラブ・アクチュアリー」や「真珠の耳飾りの少女」のように、一般にも評価された出演作もあります。

でも、昨年の「シングルマン」のノミネーションを経て、とうとう今回、見事オスカーを獲得しました! コリン、本当におめでとうsign03

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